本教材の定価は「3万円」です。

【本教材の価格について】

本教材の定価は「3万円」です。

しかしながら公開から3日は「300円」で提供いたします。

これは先行者に報いるための価格設定です。

私は、アーリーアダプターを「えこひいき」します。

【なぜこのコンテンツを作ったのか】

本コンテンツを作った理由は、シンプルです。

それは、才能がありながらも全く稼げずに苦しんでいる人を、1人でも多く救いたいと思ったからです。

コンテンツビジネスは、パソコン1台で自分の知識を価値に変えることができる夢のような世界です。しかし同時に、99%の人が月に3000円すら稼げずに撤退していく、あまりにも残酷な世界でもあります。

あなたも、そうではないでしょうか。

「質の高いコンテンツを作れば、いつか報われる」

「自分の好きなことを発信していれば、ファンは自然とついてくる」

そんな淡い期待を抱きながら、来る日も来る日も孤独にキーボードを叩き続けている。しかし現実は一向に変わらない。増えるのは徒労感と借金だけ。

私も全く同じでした。

7年間、人生のすべてを捧げましたが、得られたのは絶望だけでした。

しかし、断言します。

コンテンツビジネスで稼ぐための「コツ」や「型」は確かに存在します。それは一部の天才だけが使える魔法ではありません。正しい知識を学び、正しい手順で実践すれば、誰でも再現可能な「科学」です。

どうすれば人の心を動かすコンテンツが作れるのか。

どうすれば熱狂的なファンコミュニティを築けるのか。

そして、どうすれば感謝されながら高額な商品を売り上げることができるのか。

そのためのパターン、構成要素、そして思考法。それら全てを、今回は貧乏なマズオと胡散臭い神様ブラフマーとの対話という、物語形式に落とし込みました。

なぜ物語形式なのか。

それは、私自身が小難しいノウハウ本を読むだけでは決して変わることができなかったからです。人の心を本当に動かし、行動を促すのは、いつだって「物語」の力だと身をもって知ったからです。

このコンテンツを作るために、全てを捧げました。

構想に5年の歳月を費やしました。膨大な数の成功者と失敗者を分析し、その背後にある普遍的な法則を抽出する作業は、まさに血の滲むようなリサーチの連続でした。

関連する書籍、論文、高額な教材に投じた費用は、総額で2900万円を超えています。

そして、それらの叡智を誰にでも理解できる1つの物語へと昇華させるために、執筆に丸3ヶ月間、没頭しました。

このコンテンツは、私の魂の結晶です。だからこそ、本気で人生を変えたいと願うあなたに読んでほしいのです。

もしあなたが、コンテンツビジネスで稼ぎたいと切に願っているのなら。あるいは、「引き寄せの法則」のような人の心を深く捉えるコンテンツを作って、多くの人を救いながら豊かになりたいと考えているのなら。

この物語は、あなたのためのものです。

【私は目先のお金よりも「信頼」を取る】

正直に告白します。

私自身が、この教材に書かれている内容を実践することで、これまで9000万円以上の利益を上げてきました。それは、私が血と汗を流して見つけ出した、いわば「富の錬金術」です。

ではなぜ、今回、その秘密の全てを公開することに決めたのか。

ビジネスの観点から見れば、これは非常に愚かな行為です。競争相手を自ら増やすようなものですから。この知識は、私一人が独占していた方が、間違いなく稼ぎ続けることができたでしょう。

それでも全てを公開することを選んだのは、目先のお金よりも、あなたからの長期的な「信頼」の方が、はるかに価値があると判断したからです。

私は、この教材を通して、あなたに稼げるようになってほしいと本気で願っています。そして、あなたが実際に成功体験を積むことで、「あの教材は本物だった」「著者は信頼できる人物だ」と感じてほしかったのです。

現代は、もはやお金そのものよりも、「信頼」が最も価値のある資産となる時代です。

誰を信じ、誰についていくのか。人々は、情報の洪水の中で、本物の導き手を切実に探しています。

信頼さえあれば、ビジネスはどこまでもスケールしていきます。

信頼さえあれば、私がこれからどんな新しい挑戦をしようとも、あなたはきっと応援してくれるはずです。

そして何より、信頼こそが、この不確実な時代を生き抜くための最強の武器なのです。

だからこそ、私は門外不出の企業秘密を、今回あなたに惜しみなく公開しました。この教材に込められた価値を、ぜひその身で実感してください。そして、私という人間が本物であることを、結果を通して確認してください。

それが、私たちの長期的な信頼関係の始まりとなるでしょう。

【本教材の説明】

本教材では、対話形式の物語を通じて、情報発信で稼ぐコツやお金になるコンテンツの作り方を学ぶことができます。

この物語を読み通すだけで、コンテンツビジネスの本質的な仕組みが自然と頭に入ってきます。そして何度も繰り返し読むことによって、その知識は無意識のレベルまで深く刻み込まれるでしょう。

一度この境地に到達すれば、もはや努力も試行錯誤も必要ありません。新しくアカウントを立ち上げてから収益化まで、1ヶ月から長くても3ヶ月程度で到達できるようになります。

実は、私自身も7年間という長い期間、コンテンツビジネスで全く稼げずにいました。しかし、いったんコツを掴んでからは驚くほど早く結果が出るようになりました。そして今では、コンテンツビジネスで累計収益5億円を達成するまでに至っています。

これは決して自慢ではありません。私の実体験だからこそ、この教材の内容には確かな説得力があると確信しているのです。

コンテンツビジネスで成功するための全ての秘密が、この物語の中に隠されています。主人公マズオの苦悩と成長を追体験することで、あなたは自然とコンテンツビジネスの奥義を体得していくことでしょう。

本教材の全体像

☑️全目次

【全目次について】
有料部分も含めた全ての章立てやトピック名を公開した「全目次」を以下に掲載しています。
これは、あなたに中身を最大限お見せするためです。一般的な教材では、有料部分の詳細な内容は購入後まで明かされません。しかし私は、あなたに安心して購入していただきたいと考えています。
そのため、目次を見るだけで内容がおおよそ分かるほど細かく、章立てやトピック名を設定しました。どのような流れで物語が進み、どのようなテクニックが解説され、どのような気づきが得られるのか。その全体像を事前に把握していただけるはずです。
購入前に全目次をサラッとご覧いただき、本当にあなたの求める内容が含まれているかどうか、じっくりとご確認ください。
私は、隠し事のない透明性こそが、真の信頼関係の基盤だと信じています。だからこそ、出し惜しみすることなく、全てをオープンにしているのです。

1. 【なぜこのコンテンツを作ったのか】

2. 【私は目先のお金よりも「信頼」を取る】

3. 【本教材の説明】

4. 本教材の全体像

5. 🟦タイトル：『東大院卒、借金5500万の僕が、夢で会った神様に「スピリチュアル商法」の奥義を叩き込まれて億万長者になった件。』

6. 【あらすじ】

7. 【登場人物の紹介】

8. 【本編：開始】

9. 序章：泥酔したマズオ、神に会う

9-1. ☆9年間の末路

9-2. ☆エリート街道を走る同級生たち

9-3. ☆胡散臭い神様との出会い

10. 第一部：覚醒編 - なぜ、お主は稼げぬのか？「現実」という名の映画から抜け出せ

11. 第1章：お主は「売れない脚本」の操り人形じゃ - 稼げない思考の正体

11-1. ☆質が高いだけでは、1円にもならない

11-2. ☆「売れない脚本」という名の呪い

11-3. ☆まずは自分が「登場人物」だと自覚せよ

12. 第2章：「二つのスクリーン」を制する者は、顧客の脳を制す

12-1. ☆顧客の頭の中にある2つのスクリーン

12-2. ☆お主のメルマガはどちらにも映っていない

12-3. ☆なぜ人は「引き寄せ」に金を払うのか

12-4. ☆顧客を眠りから覚ます「覚醒センター」

13. 第3章：「夢の中の散歩」で顧客インサイトを丸裸にせよ

13-1. ☆リサーチとは顧客の夢を散歩すること

13-2. ☆見えてきた三種の神器

13-3. ☆あなたは輝くホタルのように見える

14. 第二部：創造編 - 欲しい未来は自分で創れ！「売れる現実」の作曲術

15. 第4章：「現実」を作曲せよ - コンセプトメイキングという神の御業

15-1. ☆事実を変えるな、解釈を変えよ

15-2. ☆量子力学を「願望実現」に翻訳せよ

15-3. ☆初の「引き寄せコンテンツ」誕生

16. 第5章：人を動かす「意図の三つ編み」- ストーリーテリングの魔法

16-1. ☆最強の武器は、お主の「失敗談」じゃ

16-2. ☆読者はノウハウではなく希望が欲しい

16-3. ☆脳内に直接「欲しい未来」を投影する

17. 第6章：「行動の幻想」を操り、顧客を熱狂的な信者に変える

17-1. ☆人は「自分で決めた」時にだけ動く

17-2. ☆脳が逆らえない古典的な罠

17-3. ☆心地よい「新たな罠」へと導く

18. 第三部：具現化編 - 富は錬金術で生み出せ！「鏡の法則」を支配するマーケティング

19. 第7章：「メタ・パワー」を解放し、唯一無二の神になれ

19-1. ☆情報発信者で終わるか、教祖になるか

19-2. ☆唯一無二の世界観という名の神殿

19-3. ☆預言者マズオ、爆誕

20. 第8章：「鏡との対話」で高額商品を売りさばけ

20-1. ☆人は鏡に映った「理想の自分」を買う

20-2. ☆一個900万円のネックレスを創造する

20-3. ☆セールスの極意は「天命」を囁くこと

21. 第9章：「反射」を創造し、無から価値を生み出す錬金術

21-1. ☆現実は「フリ」に追いつこうとする

21-2. ☆顧客に「成功者ごっこ」をさせる

21-3. ☆富と信仰が螺旋を描いて膨れ上がる

22. 第四部：超越編 - 宇宙の法則と商売の本質

23. 第10章：お主は「素晴らしい」、お主は「完璧」である

23-1. ☆マズオの最後の葛藤

23-2. ☆これは現代社会の「魂の救済事業」だ

23-3. ☆商売の本質

24. 第11章：ビジネスを無限にスケールさせよ

24-1. ☆成功者としての記憶を呼び覚ます

24-2. ☆失敗=データ

24-3. ☆5兆円のオブジェ、爆誕

25. 第12章：無限の中の無限 - そしてお主は創造主となる

25-1. ☆どのフィルムロールを選ぶかはお主次第

25-2. ☆お主はすでに創造主だった

26. 終章：新たなる創造神の誕生

27. 補講：究極の錬金術 - 仮想価値（バーチャル・バリュー）の創造

27-1. ☆富の重圧

27-2. ☆創造神、再臨

27-3. ☆価格を決めるのは「お主」ではない

27-4. ☆効用は無限に高めることができる

27-5. ☆人は情報空間をリアルに感じる生き物

27-6. ☆ルイ・ヴィトンが売っているのは「物語」だ

27-7. ☆お主は一流の領域に来た

28. 特別講座：資本主義の残酷な真実 - なぜ、お前の感情は1円にもならないのか

28-1. ☆罪悪感という名の病

28-2. ☆愚か者への鉄槌

28-3. ☆商売の基本は需要と供給だ

28-4. ☆お主はリスクを犯したではないか

28-5. ☆悪いビジネスなど存在しない

28-6. ☆お前の感情など、1円にもならん！

28-7. ☆新たなる覚醒

29. 【超濃密なまとめ】

30. 【用語集】

31. 【おわりに】

🟦タイトル：『東大院卒、借金5500万の僕が、夢で会った神様に「スピリチュアル商法」の奥義を叩き込まれて億万長者になった件。』

【あらすじ】

9年間運営してきた有料メルマガの読者はわずか3人、借金は5500万円に膨れ上がった主人公マズオ。彼は「質の高いコンテンツを作ればいつか必ず成功する」と信じていたが、現実は非情だった。エリート街道を走る同級生たちとの格差に絶望し、酒と睡眠薬に溺れる日々を送っていた。

そんなある夜、泥酔したマズオの夢の中に、創造神を名乗る胡散臭い男「ブラフマー」が現れる。「お主は『売れない脚本』の操り人形じゃ」と一喝されたマズオは、『Tufti the Priestess』という謎の洋書を教科書に、商売と資本主義の残酷な真実を学ぶことになる。

ブラフマーの講義は、マズオの価値観を根底から覆すものだった。顧客の頭の中にある「二つのスクリーン」を支配する方法、人の心を動かす「意図の三つ編み」という物語の力、そして原価ではなく顧客の頭の中に価値を創造する「仮想価値」の錬金術。マズオは、自分が軽蔑してきた「引き寄せビジネス」こそが、人々の魂を救済する現代のビジネスであり、商売の究極形であると悟っていく。

教えを実践し、「マスター・マズオ」として生まれ変わった彼は、一個900万円のネックレスや5兆円のオブジェを売りさばき、瞬く間に世界の頂点に立つ億万長者となる。しかし、その成功の裏で、彼は「自分は詐欺師ではないか」という巨大な罪悪感に苛まれる。

再び夢に現れたブラフマーは、そんなマズオに最後の特別講座を開講する。そこで語られたのは、「お前の感情など1円にもならない」という、資本主義の非情な本質だった。すべての迷いを振り払ったマズオは、真の商人として覚醒し、この世界のルールを創る側の人間として、新たなる創造へと向かうのであった。

【登場人物の紹介】

☆マズオ

東京大学大学院で物理学を修めたものの、商売センスは皆無な32歳。9年間運営した有料メルマガの読者はわずか3人で、借金は5500万円を超える。真面目で勉強熱心だが、「良いものを作れば売れる」という理想論に縛られ、現実を見ることができない。プライドは高いが自己肯定感は低く、成功への渇望と罪悪感との間で常に揺れ動いている。この物語は、そんな彼が「稼ぐ」ことの本質を学んでいく成長の記録である。

☆ブラフマー

マズオの夢の中に突如現れた、創造神を名乗る謎の存在。ターバンにサングラスという胡散臭い出で立ちで、言動は軽薄かつ尊大。しかし、その言葉は常に商売と人間心理の的確な本質を突いている。マズオの甘ったれた思考を容赦なく打ち砕き、時に物理的なハリセンで、時に残酷な真実で、彼を一流の商人へと鍛え上げていく、厳しくも愛のある謎のメンターである。

【本編：開始】

序章：泥酔したマズオ、神に会う

☆9年間の末路

降りしきる雨が、アスファルトを黒く濡らしていた。

コンビニの自動ドアが開くたびに、湿った生ぬるい空気が店内に入り込む。

僕は深夜のシフトに入っていた。レジカウンターの内側で、ただ無心にバーコードをスキャンする機械と化していた。

ピッ、298円。ピッ、158円。ピッ、432円。

電子音が鳴るたび、僕の人生の残り時間が削られていくような気がした。

僕の名前は、マズオ。32歳。

輝かしい経歴だけを切り取れば、東京大学大学院で物理学を修めた男。

しかし現実は、深夜のコンビニ店員だ。借金は雪だるま式に膨れ上がり、とうとう5500万円を超えた。

原因は、僕が9年間運営してきた有料メルマガ「教養としての量子力学」だ。

僕は信じていた。コンテンツの質こそが全てだと。世界最先端の理論、難解な数式を誰よりも分かりやすく解説する。その知的な営みに価値を感じる読者は、きっと現れるはずだと。

海外の有料ニュースレターをいくつも購読した。高価な学術書を輸入しては、読み漁った。研究と称してつぎ込んだ費用は、年平均で600万円を超える。もちろん、そんな金があるはずもない。消費者金融や親族から借りられるだけ借りた。

その結果が、これだ。

9年という歳月を捧げて獲得した有料読者は、たったの3人。

月の収益は、消費税を引けば3000円にも満たない。時給に換算すれば、おそらく5円くらいだろうか。もはや笑う気力もなかった。

☆エリート街道を走る同級生たち

休憩時間にスマホを開くのが、一番の苦痛だった。

SNSのタイムラインには、同級生たちの輝かしい人生がこれでもかと表示される。

医師になった友人は、学会で海外を飛び回っていた。会計士になった友人は、都心にタワーマンションを買ったらしい。弁護士事務所でパートナーになった奴は、週末は決まってクルーザーの上だ。芥川賞作家になったやつまでいる。彼らの隣には美しい妻がいて、その腕には愛らしい子供が抱かれている。

彼らが築き上げた城。その高さに、僕は眩暈を覚えた。

「すごいな」とコメントを打ちかけては、そっとアプリを閉じる。僕が彼らに送れる言葉など、何一つなかった。圧倒的な差。それはもはや嫉妬や焦りを通り越し、静かな絶望となって僕の心を支配していた。

シフトを終え、雨の中をとぼとぼと歩いて帰る。

6畳一間の安アパートのドアを開けると、カビと安酒の匂いが混じった空気が僕を迎えた。部屋には督促状の束が散らばっている。それを見ないようにして、冷蔵庫から500ミリリットルのストロング系チューハイを取り出した。

プシュッ、と小気味よい音が響く。

僕はそれを一気に煽った。アルコール度数9%の液体が、空っぽの胃に染み渡る。頭がぐらりとして、世界が少しだけマシなものに思えてくる。これが唯一の救いだった。

何が間違っていたんだろうか。

僕は誰よりも勉強した。誰よりも深く、この世界の真理を探求しようとしてきた。それなのに、なぜ。

答えの出ない問いを繰り返しながら、2本目、3本目とチューハイを空にしていく。研究で慢性的な寝不足の頭に、大量のアルコールが回る。視界が歪み、思考が溶けていく。ベッドに倒れ込むようにして、意識を手放した。

☆胡散臭い神様との出会い

次に目を開けた時、奇妙な場所にいた。

床も壁も天井もない。ただ、どこまでも広がる純白の空間。空気は澄み切っているのに、なぜか蓮の花の香りがした。

夢だ。泥酔と寝不足が生み出した、質の悪い夢に違いない。

そう思ってため息をついた、その時だった。

「お主、哀れよのう」

凛とした、それでいてどこか軽薄な声が響いた。

驚いて声のした方を見ると、そこに「それ」はいた。

蓮の花の上に胡座をかいた、金ピカの装飾品をじゃらじゃらと身につけた褐色の肌の男。ターバンを巻き、豊かな髭を蓄えている。4本の腕を持っているあたり、ただ者ではない。

しかし、その顔にはなぜかレイバン風のサングラスがかけられていた。

神々しさと胡散臭さが、絶妙なバランスで同居している。

「…どちら様で？」

僕が尋ねると、男はふんと鼻を鳴らした。

「わしはブラフマー。この宇宙を創造した神じゃ。お主があまりにも哀れで、不憫で、見ておれんから、こうして直々に夢枕に立ってやったのじゃ」

ブラフマー。創造神。

なるほど、いよいよ僕の脳もイカれてきたらしい。

「哀れ、ですか。そうですかね。僕は僕なりに、真理の探求という高尚な目的のために生きていますが」

なけなしのプライドが、そう言わせた。

ブラフマーはサングラスの奥で目を細め、くつくつと笑い出した。

「高尚な目的？寝言は寝て言え、小僧。お主はただ、現実から逃げているだけじゃ。その立派な頭脳、完全にドブに捨てておるわ」

図星だった。

ぐうの音も出ない僕を見て、ブラフマーは満足そうに頷いた。

「まあ良い。わしは慈悲深いからのう。お主に、人生を逆転させるための知恵を授けてやろう」

そう言って、ブラフマーは4本ある腕の1本をすっと前に出した。その手の中に、いつの間にか一冊の本が握られている。黒い表紙に、赤い化粧をした奇妙な女性が描かれていた。

『Tufti the Priestess』

「なんだこれ…スピリチュアルか何かですか。僕は物理学者なので、そういう非科学的なものは…」

「黙れ、小僧！」

ブラフマーの叱責が、純白の空間に響き渡った。

「これがお主を億万長者にする魔法の書じゃ。お主が信じて疑わなかった『科学』とやらが、いかに商売において無力か。そして、お主が馬鹿にしてきた『物語』が、いかに人の心を動かし、富を生み出すか。その全てが、この一冊に詰まっておる」

ブラフマーは本を僕の胸に押し付けた。

不思議なことに、夢の中のはずなのに、ずっしりとした重みと、古い紙の匂いを感じた。

「良いか、マズオよ。これからわしが、この教科書を使って、お主に『商売の真理』を叩き込んでやる。ありがたく拝聴するのじゃ」

ブラフマーはニヤリと笑った。

その笑顔は、僕が今まで出会ったどの人間よりも、狡猾で、賢く、そして魅惑的に見えた。

これが、僕の人生が180度、いや、540度くらい回転する、奇妙な授業の始まりだった。

第一部：覚醒編 - なぜ、お主は稼げぬのか？「現実」という名の映画から抜け出せ

第1章：お主は「売れない脚本」の操り人形じゃ - 稼げない思考の正体

☆質が高いだけでは、1円にもならない

「さて、マズオよ。最初の講義を始めるぞ」

ブラフマーは尊大に言い放つと、僕の目の前にホログラムのようなスクリーンを出現させた。そこに映し出されたのは、僕のメルマガ「教養としての量子力学」のバックナンバーだった。僕が血と汗と涙を流して書き上げた、渾身の記事の数々だ。

「ふむ。まずは、お主のこの9年間の努力の結晶とやらを拝見しようかの」

ブラフマーは顎に手をやり、記事をスクロールし始めた。その指先が動くたび、数式やグラフが画面上を流れていく。僕は少しだけ誇らしい気持ちになった。これを見れば、神とて僕の知性の高さと努力を認めざるを得まい。

しかし、ブラフマーの口から漏れたのは、感嘆のため息ではなく、盛大な失笑だった。

「ぷっ…あはははは！なんじゃこれは！退屈の極みじゃ！まるで乾燥砂漠を延々と歩かせるような文章じゃのう！」

「なっ…！失礼な！これは世界でも最先端の知見を、一般向けに噛み砕いて解説したものです。その価値が分からないのですか！」

僕はカッとなって反論した。

ブラフマーは笑いすぎて浮かんだ涙を指で拭いながら、僕を憐れむように見た。

「価値、とな？小僧、根本的に勘違いをしておる。お主が言う『価値』や『質』など、それだけでは1円の価値にもならんのじゃ」

「そんなはずは…！良いものを作れば、いつか必ず評価される。それが道理でしょう！」

「道理？それは、お主のような商売センス皆無の人間が作った、実に都合の良い『物語』じゃな」

ブラフマーは僕のメルマガの画面を指差した。

「良いか？このメルマガは、確かにお主の言う通り『質』は高いのかもしれん。だが、それは『自己満足の質』じゃ。読者が金を払ってでも欲しい『価値』とは、全くの別物なのじゃよ」

彼は僕が手にする『Tufti the Priestess』の最初のページを指した。

そこには「INTRODUCTION」と書かれている。

「教科書の最初の教えを、その頭に叩き込め。お主は自分の自由意志で、この退屈なメルマガを書いているつもりか？残念ながら、違う」

ブラフマーは断言した。

「お主は『売れない脚本』に動かされているだけの、哀れな操り人形にすぎんのじゃ」

☆「売れない脚本」という名の呪い

「脚本…？まるで意味が分かりません」

僕は混乱しながら言った。

ブラフマーは僕の狼狽ぶりを楽しんでいるかのように、ゆっくりと説明を始めた。

「教科書にも書いてあるじゃろう。『You are being directed by a script』と。お主がなぜ9年間も稼げなかったのか。その理由は単純じゃ。お主が、稼げない人間が演じるべくして書かれた『脚本』の通りに、忠実に、真面目に、行動し続けてきたからじゃ」

「僕が…脚本通りに？」

「そうじゃ。その脚本のタイトルは、こうじゃな。『良いものを作れば、いつか誰かが見つけてくれて、勝手に売れていくだろう』。どうじゃ、聞き覚えがあるじゃろう？」

心臓がどきりとした。

まさに僕が9年間、心の支えにしてきた言葉だったからだ。

「なぜ、それを…」

「決まっておる。稼げぬ人間は、皆、判で押したように同じ脚本を信じ込んでおるからのう」

ブラフマーは続ける。

「その脚本は、実にお主のような勉強はできるが世間知らずの人間にとって、心地よいものじゃ。なぜなら、一番面倒で、一番怖い『売る』という行為から目を背けさせてくれるからな。『私は良いものを作ることに集中する。売るのは誰かの仕事だ』。そうやって、自分の殻に閉じこもるための、完璧な言い訳を与えてくれる」

ブラフマーの言葉は、鋭い刃のように胸に突き刺さった。

そうだ。僕は怖かったのだ。自分のコンテンツを、自信を持って「買ってください」と言うことが。もし断られたら？もし、価値がないと判断されたら？その恐怖が、僕を「質の探求」という名の安全な洞窟に閉じ込めていた。

「考えてもみよ。どんなに素晴らしい映画も、観客がいなければただの映像データじゃ。どんなに美味い料理も、客が来なければただの生ゴミじゃ。お主のメルマガも同じこと。たった3人しか読んでおらんのなら、それは無いも同然なのじゃ」

☆まずは自分が「登場人物」だと自覚せよ

僕はうなだれた。返す言葉もなかった。

9年間の努力は、ただの自己満足だった。いや、脚本通りに動いていただけなのだとしたら、努力ですらなかったのかもしれない。

「では、どうすれば…この脚本から抜け出せるんですか？」

か細い声で尋ねる僕に、ブラフマーは静かに告げた。

「最初のステップは、自覚することじゃ」

「自覚…？」

「そうじゃ。今この瞬間のお主が、売れないコンビニ店員という役を演じさせられている『映画の登場人物』にすぎない、という事実を、骨の髄まで理解するのじゃ」

ブラフマーは僕の肩を掴んだ。夢の中なのに、その力は現実のものより強く感じられた。

「お主は、その映画の観客ではない。登場人物なんじゃ。そして、その映画は実にくだらんB級映画じゃ。しかし、希望もある。登場人物であるお主には、脚本を書き換える権利が与えられておる」

「脚本を…書き換える？」

「そうじゃ。だが、そのためにはまず、自分が何者で、今どこにいるのかを正確に把握せねばならん。お主は『現実』という名の映画の中で眠りこけておる。まずはそこから目を覚ますのじゃ」

ブラフマーはにやりと笑い、教科書の次の章を指し示した。

そこには「TWO SCREENS」という文字が浮かび上がっていた。

「次の講義では、顧客の脳を支配し、お主の言葉を直接その魂に届けるための『二つのスクリーン』の法則を教えてやろう。これが分かれば、なぜ人々がつまらん量子力学ではなく、胡散臭い『引き寄せ』に大金を払うのか、その理由が見えてくるはずじゃ」

蓮の花の香りが、一層濃くなったような気がした。

僕の9年間を支配してきた「売れない脚本」。その分厚い表紙に、今、初めて手をかけたような感覚があった。

第2章：「二つのスクリーン」を制する者は、顧客の脳を制す

☆顧客の頭の中にある2つのスクリーン

「マズオよ、準備は良いか」

ブラフマーはサングラスの位置をくいと直しながら言った。

僕はごくりと唾を飲み込み、頷いた。目の前の神様は胡散臭いが、言っていることには妙な説得力がある。

「うむ。では問うが、お主はメルマガを書く時、誰に向かって書いておる？」

「誰に、ですか…。それはもちろん、知的好奇心旺盛な、一般の方々ですが」

僕が答えると、ブラフマーは大きなため息をついた。

「出たぞ。『一般の方々』という名の、誰でもない誰か。それではメッセージは誰の心にも届かんわ。教科書の『TWO SCREENS』の章をよく見よ。人が世界を認識するスクリーンは、2つあるのじゃ」

ブラフマーが指を鳴らすと、僕の目の前に2つのスクリーンが並んで現れた。

「向かって左が『外なるスクリーン』。そして右が『内なるスクリーン』じゃ」

☆お主のメルマガはどちらにも映っていない

「外なるスクリーン…、内なるスクリーン…？」

「うむ。『外なるスクリーン』とは、人が日常的に目にしている、いわば現実の世界じゃ。満員電車、上司の小言、退屈な会議、支払いの催促。面白くもおかしくもない、ただ過ぎていく日常。人々はこのスクリーンをぼんやりと眺めながら、こう思っておる。『ああ、何か面白いことはないものか』とな」

ブラフマーは次に、右のスクリーンを指した。

「そしてこちらが『内なるスクリーン』。これこそが、商売において最も重要な場所じゃ。ここには、その人間の悩み、不安、欲望、願望、叶えたい夢、誰にも言えない秘密、その全てがごちゃ混ぜになって、四六時中上映されておる」

彼は続ける。

「『もっとお金が欲しい』『素敵な恋人が欲しい』『周りから認められたい』『今の退屈な人生から抜け出したい』。言葉にならない叫びが、この内なるスクリーンで渦巻いておるのじゃ。人々は、このスクリーンで上映される混沌とした映画に疲れ果て、助けを求めておる」

ブラフマーは僕の方を向き直った。

「さて、マズオよ。お主の『教養としての量子力学』は、この2つのスクリーンの、どちらに映っておる？」

僕は言葉に詰まった。

僕のメルマガは、人々の退屈な日常を紛らわすほどの娯楽性はない。そして、彼らの心の叫びに応えるような内容でもない。

「…どちらにも、映っていません」

「その通りじゃ！」

ブラフマーは満足そうに頷いた。

「どちらのスクリーンにも映っておらんコンテンツなど、存在しないのと同じことよ。だからお主の読者は9年間で3人しか増えなかった。いや、今も読んでくれているその3人は、よほどの変わり者か、お主の親族じゃろう」

またも図星だった。3人のうち2人は、僕の両親だ。

☆なぜ人は「引き寄せ」に金を払うのか

「では、どうすれば僕のコンテンツは、彼らのスクリーンに映るのですか」

「良い質問じゃ。答えは単純。『内なるスクリーン』で上映されている、悪夢のような映画を、極上のハッピーエンド映画に書き換えてやれば良いのじゃ」

ブラフマーは僕のメルマガの画面を消し、代わりにキラキラとした装飾のウェブサイトを映し出した。そこには「あなたの願望、宇宙が全て叶えます！」という、僕が最も軽蔑してきた類のキャッチコピーが躍っていた。

「これが『引き寄せの法則』じゃな。お主はこれを、非科学的で愚かなものだと見下しておったじゃろう」

「…はい。正直に言って」

「だが、商売という観点から見れば、これは天才の発明じゃ。なぜなら、『引き寄せ』は、人々の『内なるスクリーン』に直接、最高の映画を上映するからじゃ」

ブラフマーはサイトの文言を指差した。

「『お金がない』という悪夢を見ている者には、『巨万の富があなたに降り注ぐ』という映画を。『恋人がいない』と嘆く者には、『運命のソウルメイトと結ばれる』という映画を。『自分に自信がない』と苦しむ者には、『あなたは宇宙に愛される特別な存在だ』という、極上の映画を見せてやる」

彼の言葉に、僕はハッとした。

僕はこれまで、コンテンツを「情報の正確さ」や「論理の整合性」でしか評価してこなかった。だが、ブラフマーの言う通りなら、人々が求めているのは情報そのものではない。彼らが求めているのは、自分の「内なるスクリーン」で上映されている悪夢を終わらせ、希望に満ちた物語を見せてくれる「何か」なのだ。

「それが『引き寄せ』という物語なのですね」

「うむ。人々は、その心地よい映画を見るために、喜んで金を払う。なぜなら、それは彼らにとって、単なる情報や商品ではないからじゃ。それは『救い』なんじゃよ」

☆顧客を眠りから覚ます「覚醒センター」

「理解できました。でも、どうやって僕の言葉を彼らの『内なるスクリーン』に届ければいいのですか？僕にはそんな力は…」

「あるわ」

ブラフマーは断言した。

「教科書を見よ。『awareness centre』と書いてあるじゃろう。これが『覚醒センター』じゃ。人の注意が『外なるスクリーン』にも『内なるスクリーン』にも向いていない、その中間の場所。いわば、魂のど真ん中じゃ」

「魂の…ど真ん中？」

「人々は普段、2つのスクリーンに注意を奪われ、眠ったような状態で生きておる。お主の役目は、彼らの魂のど真ん中にある『覚醒センター』に直接呼びかけ、眠りから叩き起こすことじゃ」

「呼びかける…？」

「そうじゃ。例えばこうじゃ。『9年間も会社に尽くしてきたのに、給料は上がらず、将来に不安を感じていませんか？』と。これは、相手の『内なるスクリーン』で上映されている悪夢を、言葉で突きつける行為じゃ」

ドキリとした。まるで僕自身のことを言われているようだ。

「そうやって相手の注意をこちらに向けさせ、眠りから覚醒させた上で、こう囁くのじゃ。『でも、ご安心ください。あなたの人生がうまくいかないのは、宇宙の法則を知らないだけなのです』と。そして、お主が作った極上のハッピーエンド映画を見せてやる」

ブラフマーは僕の肩を叩いた。

「これが商売の基本じゃ。相手の痛み（悪夢）をえぐり、そして希望（新しい映画）を与える。単純じゃが、これ以上強力な法則はない」

僕はゴクリと息を飲んだ。

量子力学の法則よりも、よほど明快で、パワフルな法則に思えた。

「さあ、理屈は分かったな。次の章では、いよいよ実践じゃ。顧客の夢の中を散歩し、彼らが本当に何を求めているのかを丸裸にする方法を教えてやろう」

ブラフマーは不敵に笑った。

僕の足元で、純白の空間が揺らめき、見知らぬ街の景色が広がり始めていた。それはまるで、これから始まる冒険の舞台のようだった。

第3章：「夢の中の散歩」で顧客インサイトを丸裸にせよ

☆リサーチとは顧客の夢を散歩すること