【本教材の要点・結論】

現代のオンラインメディア（ブログ、ニュースサイト、SNS）は、読者に真実を届けることではなく、「注目を集めて広告収益を得ること」を唯一の目的として動いている。
コンテンツの価値は、その内容の「質」や「正確性」ではなく、どれだけ多くの人に「拡散」されるかという「拡散性」によってのみ決まる。
人間の感情の中で、最も強力な拡散エネルギーを持つのは「怒り」である。「正義感」や「義憤」を刺激するコンテンツは、爆発的に広まる傾向がある。
逆に、「悲しみ」のような重く、解決不能な感情を抱かせるコンテンツは拡散されにくい。メディアは意図的にこのような要素を排除し、大衆が消費しやすい形に情報を加工している。
情報は、情報精査の基準が甘い小規模なメディアで「火種」として生まれ、より大きなメディアに引用される過程で「事実」へと昇格し、最終的に社会的な「現実」となる。このプロセスは意図的に操作可能である。
現代人は記事の中身をほとんど読まず、「見出し」だけで内容を判断している。したがって、ビジネスの成否は、いかに扇情的でクリックしたくなる見出しを作れるかにかかっている。
「〜だろうか？」という疑問形の見出しは、書き手が責任を負わずに嘘や誇張を表現できる魔法の言葉であり、読者の知的好奇心を刺激してクリックを誘発する常套手段である。
ネット上の「人気」は、トラフィック購入サービスなどを利用して、金で買うことができる。偽の人気は本物の人気を呼び込む起爆剤として機能する。
ジャーナリストやブロガーは常にネタに飢えており、彼らが聞きたいと望む「内部告発」や「スクープ情報」という形で情報を提供すれば、彼らは喜んであなたの代弁者となる。
Wikipediaは現代の「聖書」であり、その情報を編集することで、作り上げた嘘を「揺るぎない事実」として権威付けすることが可能である。
一度広まった嘘は、たとえ後から訂正されても、人々の記憶から消えることはない。「バックファイア効果」により、訂正はむしろ元の嘘を強化する働きすらある。
ネット上の炎上やスキャンダルは、危機ではなく、自らの物語を強化し、さらなる注目と収益を得るための絶好の「機会」として利用できる。
究極のメディア支配は、生身の人間のリスクを排除した「バーチャルヒューマン」を神として創造し、信者たちの承認欲求や救済願望を満たす「物語」を高額で販売する「宗教ビジネス」に行き着く。
この世界の全てのプレイヤーは、あなたを騙して金儲けをしようとしている。本教材は、その手口をすべて暴露し、あなたが「カモ」から「狩人」になるための唯一の武器である。

【本教材の概要】

この教材は、あなたのコンテンツビジネスに関する常識を根底から覆すための「劇薬」です。

もしあなたが、

「質の高いコンテンツを作っているのに、なぜか全く読まれない、売れない…」
「SNSで毎日必死に発信しているのに、『いいね』もつかず心が折れそうだ…」
「何年も活動しているのに、収益はずっと0円のままだ…」
「なぜ、あの人のくだらない投稿がバズって、自分の価値ある情報が無視されるのか、全く理解できない…」

といった悩みを一つでも抱えているなら、本書はあなたのためのものです。その問題の根本原因は、あなたの努力や才能の不足ではありません。あなたが、現代のインターネットを支配する「本当のルール」を知らない、ただそれだけなのです。

本教材は一体なんなのか？
本書は、メディア操縦の天才ライアン・ホリデイによる世界的ベストセラー『Trust Me, I'm Lying』を教科書に、その悪魔的とも言える法則を、ラノベ風の物語形式で完全解説する、全く新しいエンターテイメント教材です。13年間読者0人だった東大院卒のウーバー配達員「マズオ」が、夢の中で出会った神「ドンファン」から「バズの錬金術」を学び、年収10億円を稼ぐ億万長者へと成り上がるまでの全プロセスを、あなた自身が追体験します。
誰の、どんな問題を、どう解決するものなのか？
本書は、「良いものを作れば必ず売れる」という聖なる幻想を信じ、報われない努力を続けている全てのクリエイター、情報発信者のためのものです。あなたのコンテンツがなぜ評価されないのか、その残酷な真実を突きつけます。そして、現代のメディアがいかに「質」ではなく「注目」と「拡散性」で動いているかを徹底的に解き明かし、無から注目を生み出し、炎上すらも利益に変えるための、具体的かつ強力な9つの戦術と、それを応用したビジネスモデルを伝授します。

この教材を読み終えたとき、あなたはウェブニュースやSNSの見方が180度変わり、情報発信の常識が覆されるでしょう。そして何より、あなたはもう二度と、情報の流れに翻弄される「カモ」ではなく、自ら「流れ」を創り出し、意のままに操る「狩人」の視点を手に入れることになるのです。

【本教材を作った理由】

私がこの教材を作った理由は、極めてシンプルです。
それは、かつての私自身、そして物語の主人公「マズオ」のように、「真面目に頑張っているのに、なぜか報われない」と嘆く、才能あるあなたを救いたかったからです。

お金持ちになるのに必要な「本当の知識」を授けたかったから
世の中には、「お金持ちになる方法」を教える本が溢れています。しかし、その多くは精神論や、時代遅れの成功法則に終始しています。私は断言します。現代社会、特にインターネットの世界でお金持ちになるために必要な知識は、ただ一つ。「注目を集める技術」です。
- どれだけ素晴らしい商品やサービス、才能を持っていても、誰にも知られなければ、それは存在しないのと同じです。
- 経済的な自由がなければ、あなたは本当にやりたいことを追求する「権利」すら手に入れることができません。生活費を稼ぐために、貴重な時間と情熱を切り売りし続ける人生で、本当に満足ですか？
- 本書は、単なる金儲けのテクニック集ではありません。資本主義というゲームのルールブックであり、あなたが経済的・時間的自由を手に入れ、人生の主導権を取り戻すための「生存戦略」を伝授するものです。
再現性のある「バズらせ方」を教えたかったから
多くの人は、「バズ」は運や偶然の産物だと思っています。ある日突然、神風が吹いて自分のコンテンツが注目されることを夢見ています。しかし、それは大きな間違いです。
- 本書を読めば、バズが明確な「法則」と「技術」に基づいて、意図的に作り出せる「科学」であることがわかります。
- なぜ、くだらないゴシップが拡散し、あなたの価値ある情報が無視されるのか。その背後には、人間の心理とメディアの構造を巧みに利用した、計算ずくの戦略が存在します。
- 私は、この「バズの錬金術」を、一部の天才やインフルエンサーだけの秘密にしておくことに、強い憤りを感じています。この知識は、本来、志を持つすべての人が平等に手にすべき武器のはずです。

この教材で解説する技術は、劇薬です。使い方を間違えれば、それは諸刃の剣にもなり得ます。しかし、このルールが支配する世界で、ただ善良なだけで戦おうとするのは、竹槍で戦車に挑むようなものです。

まずは「知る」こと。
それが、搾取される側から、流れを創り出す側へと変わるための、全ての始まりです。

【なぜ「対話形式」なのか ────本教材の構成について】

本書を開いて、多くの方が「なぜ普通の解説書ではなく、ラノベ風の対話形式なんだろう？」と疑問に思われたかもしれません。その理由について、最初にご説明させてください。結論から言えば、これがあなたの脳に「バズの法則」を最も深く、そして永続的に刻み込むための、私が導き出した最善の形式だからです。

論文のように無味乾燥な事実の羅列では、知識は「記憶」に残らない
本書が扱う「メディア操縦術」は、非常に強力ですが、その概念は複雑で、時に抽象的です。もし私が、これらの法則を学術論文のように、
- 「第一章：アテンションエコノミーにおける情報伝達モデルの変遷」
- 「第二節：ページビュー最大化のためのヘッドライン最適化に関する一考察」
といった形式で無味乾燥に羅列したとしたら、どうなるでしょうか？
おそらく、あなたは最初の数ページで眠気に襲われ、本を閉じてしまうでしょう。たとえ最後まで読み通せたとしても、その知識は「試験前に一夜漬けした年号」のように、すぐに頭から抜け落ちてしまいます。なぜなら、そこには「感情の動き」がないからです。人間の脳は、感情を伴わない単なる情報を、重要なものとして長期記憶に保存することが非常に苦手なのです。
物語と対話は、知識を「体験」に変える魔法だから
一方で、対話形式の物語はどうでしょうか。
- あなたは、13年間もがき苦しむ主人公「マズオ」に、自分自身の姿を重ね合わせ、彼の悔しさや焦りに「共感」します。
- そこに現れる神「ドンファン」の圧倒的な知識と、少し意地悪な語り口に、あなたは「驚き」や「反発」、そして「興奮」を覚えます。
- マズオがドンファンの教えを実践し、初めての成功を手にした時、あなたは彼と共に「喜び」を感じ、失敗しそうになった時には「不安」を感じるでしょう。
このように、物語を通じて様々な感情を体験することで、本書で語られる一つ一つの法則は、単なる文字情報ではなく、あなた自身の「体験」として脳に刻み込まれます。ソクラテスの対話篇から現代のビジネス書に至るまで、優れた教えが対話形式を取ることが多いのは、これが知識を最も効率的に血肉に変える方法だと、人類が経験的に知っているからです。
あなたが「マズオ」になることで、学びは完成するから
本書は、あなたが三人称の視点から物語を眺める「読者」であることを許しません。あなたは、主人公「マズオ」そのものになります。彼の問いはあなたの問いであり、彼が得る答えはあなたの答えです。神「ドンファン」は、あなたに直接語りかけます。あなたは、マズオと共に悩み、気づき、そして悪魔の知恵を実践していく。このプロセスを通じて、あなたはただ知識を受け取るだけでなく、それを「どう使うか」という思考のフレームワークそのものをインストールすることができるのです。

私は、あなたが本書を読み終えた後、単に「バズの法則に詳しくなった」状態で終わってほしくありません。あなたが明日から、いや、今この瞬間から、世界を見る目が変わり、具体的な行動を起こせる「実践者」になってほしいのです。

そのために、私はあえて、この「対話形式」という、一見すると遠回りに見える構成を選びました。
さあ、準備はよろしいでしょうか。
あなたを主人公にした、人生で最も刺激的な講義の始まりです。

【本教材を読み終えたとき、あなたが手に入れるもの】

この教材は、単なる知識の詰め合わせではありません。あなたがこれからの情報発信で、二度と道に迷うことがなくなるための「コンパス」であり、ライバルをごぼう抜きにするための「ジェットエンジン」です。本書を最後まで読み終えたとき、あなたは以下のものを、その手に確実に握りしめているでしょう。

再現性のある「バズらせ方」を理解している
あなたはもう、「バズは運だ」などと嘆くことはありません。なぜ特定のコンテンツが爆発的に拡散され、なぜあなたの渾身の作品が誰にも見向きされないのか、その「法則」を完全に理解できます。見出しの付け方、テーマの選び方、感情の煽り方、情報の拡散経路の設計まで、バズを生み出すための具体的な設計図が、あなたの頭の中にインストールされます。
最小の労力で、最大の収益を上げる「稼ぎ方」がわかります
「質の高いコンテンツを毎日投稿し続けなければならない」という苦行から、あなたは解放されます。本書が教えるのは、週に一度、いや、月に一度の投稿でさえ、何百万人もの注目を集め、自動的に収益を生み出し続ける「仕組み」の作り方です。あなたは、無駄な作業に忙殺されることなく、本当に価値のある活動に時間を使うことができるようになります。
明日から「何をすればいいか」が一目瞭然になります
情報が溢れる現代において、最も貴重な資源は「何をすべきか」という明確な指針です。本書は、あなたがコンテンツビジネスで成功するために必要な行動を、具体的なステップとして提示します。もう、「次は何をしよう…」とSNSの前で途方に暮れることはありません。あなたは、成功までの最短ルートを示す、詳細な地図を手に入れるのです。
あなたの貴重な時間と情熱を奪う「無駄な行動」を、一切しなくてよくなります
「毎日更新」「フォロワーとの交流」「質の追求」…。これまであなたが「正しい」と信じてやってきた努力のほとんどが、実は成功からあなたを遠ざける「無駄な行動」だったことに気づくでしょう。本書は、その残酷な真実を明らかにすると同時に、あなたが本当に集中すべき、たった数パーセントの重要な行動だけを教えてくれます。あなたの限られたリソースを、結果に直結する一点に集中させることができるのです。

一言で言えば、あなたは「ウェブの世界を見る解像度」が劇的に上がります。
これまで霞んで見えていた世界の裏側が、ピントの合った写真のように、くっきりと見えるようになるでしょう。
それは、他人が仕掛けた罠を見抜き、自分だけがその罠を自在に使いこなせるようになる、圧倒的な優位性です。
この力を手に入れるための投資を、あなたは高いと感じますか？それとも、安いと感じますか？

【私は目先のお金よりも「信頼」を取る】

ここまでお読みいただき、もしかしたらこう思われたかもしれません。
「もしこの教材に書かれていることが本当なら、なぜそんなに儲かる情報を公開するんだ？自分だけで独り占めしておけばいいじゃないか」と。

それは、至極もっともな疑問です。
旧来のビジネスの世界では、「有益な情報は隠しておけ」というのが常識でした。情報を独占することこそが、競争優位の源泉だと考えられていたからです。

しかし、断言します。その発想は、現代のインターネット社会においては、完全に時代遅れです。
そして、情報を惜しみなく公開することこそが、長期的に見て最も大きな利益を生み出す、最強の戦略なのです。

現代は、「情報氾濫」の時代です
私たちが生きる現代は、人類史上、最も情報が溢れかえっている時代です。
- あなたがどんなに画期的なノウハウを思いついたとしても、世界のどこかで、誰かが同じような考えに至っています。
- たとえあなたがその情報を隠そうとしても、いずれ誰かがそれを発見し、世に公開してしまうでしょう。情報の独占は、もはや不可能なのです。
この時代で、最も賢いプレイヤーは誰か？
では、このような情報氾濫の時代において、最終的に最も大きな利益を手にするのは、一体どのような人物でしょうか？
- それは、「誰よりも速く、そして誰よりも惜しみなく、有益な情報を公開する人」です。
- なぜなら、その人は、お金では決して買うことのできない、最も貴重な資産を手に入れることができるからです。その資産とは、人々からの「信頼」です。
「信頼」こそが、ビジネスをスケールさせる最強のエンジンです
考えてみてください。
- あなたが何か商品を買おうとするとき、正体不明のセールスマンと、あなたが日頃から「この人の情報は有益だ」と信頼している人物の、どちらから買いたいと思いますか？
- 答えは明白です。「信頼」は、あらゆるビジネスの成約率を劇的に高める、最強のレバレッジなのです。
- 信頼があれば、あなたは高額な広告費を払う必要がありません。人々が、あなたの新しい商品を、口コミで勝手に広めてくれるからです。
だから、私は「信頼」を得るために、すべてを公開します
この構造を理解すれば、私がなぜこの強力な情報を公開するのか、お分かりいただけると思います。
- 目先の利益のためにこの情報を隠し、自分だけでこっそり使い続けることもできたでしょう。しかし、それは短期的な成功しか生みません。
- それよりも、私が持つ最高の知識をあなたに惜しみなく提供し、あなたから「この教材は本物だ」という絶対的な「信頼」を得ること。
- その信頼こそが、将来的により大きなビジネスへと繋がる、何物にも代えがたい資産になると、私は確信しています。

私は、あなたを単なる教材の購入者だとは思っていません。
この教材を通じて、同じ視座を共有し、共にこの情報化社会を勝ち抜いていく「仲間」だと思っています。
だからこそ、私は出し惜しみをしません。
これが、私があなたに提供できる、最大の誠意です。

【あなたは、ただ物語を読み通すだけでOK】

さて、ここまでの説明で、本書が扱うテーマの重要性と、その構成に込められた意図をご理解いただけたかと思います。

「でも、なんだか難しそうだ…」
「自分に使いこなせるだろうか…」

もしあなたがそう感じているとしても、全く心配する必要はありません。
なぜなら、あなたがこれからすべきことは、たった一つだけだからです。

あなたは、ただ物語を読み進めるだけで大丈夫です
本書の中心は、主人公「マズオ」と神「ドンファン」が織りなす、壮大な対話形式の物語です。
- あなたは、難しい専門書を解読するように、眉間にしわを寄せて本書を読む必要はありません。
- まるで面白い小説や漫画を読むように、ただリラックスして、物語の展開に身を任せてください。
- 主人公マズオの成功と失敗を追体験し、神ドンファンの悪魔的な囁きに耳を傾ける。ただそれだけでOKです。
物語を読み終えたとき、あなたの脳は生まれ変わっています
不思議に思うかもしれませんが、あなたがこの物語を最後まで読み通したとき、「バズらせ方」の法則は、知識としてではなく、まるで自転車の乗り方を覚えるように、あなたの「感覚」としてインストールされています。
- あなたは、ウェブニュースの見出しを見ただけで、その裏に隠された書き手の意図を瞬時に見抜けるようになります。
- SNSで人々が何に熱狂し、何に怒っているのか、その感情の動きを、まるで天気図を読むように予測できるようになります。
- そして、あなたが何かを発信しようとするとき、ごく自然に、人々の心を掴んで離さない「物語」を紡ぎ出せるようになっているでしょう。

難しい勉強は、一切不要です。
メモを取る必要もありません。

さあ、肩の力を抜いて、ページをめくってください。

【全目次について】

この教材をご検討いただき、誠にありがとうございます。
以下に本教材の「全目次」を公開いたします。

なぜ、ここまで詳細な目次を公開するのか？
通常、書籍や情報商材の目次は、読者の興味を引くために、あえて抽象的に書かれていたり、そもそも購入するまで隠されていたりすることがほとんどです。しかし、それでは購入した後に、「期待していた内容と違った…」という不幸なミスマッチが起こりかねません。それでは、あなたの大切な時間とお金を無駄にしてしまいます。そこで私は、本書で何を学べるのか、その全貌を事前にご理解いただくために、あえて「中身がおおよそわかってしまうほど」詳細な目次を、すべて公開することに決めました。
まずは、この地図で、冒険の全貌を確かめてください
これからお見せするのは、単なる章立てのリストではありません。あなたがこれから旅する冒険の、詳細な「地図」です。
- 各章で、主人公マズオがどんな壁にぶつかり、神ドンファンからどんな悪魔の知恵を授かるのか。
- あなたが具体的にどんなテクニックを学び、どんな思考法を身につけることになるのか。
そのすべてが、この目次には記されています。
まずは、この全目次をさらっとご覧になって、本書があなたの求める知識と一致しているか、じっくりとご判断ください。

☑️全目次

1. 【本教材の要点・結論】

2. 【本教材の概要】

3. 【本教材を作った理由】

4. 【なぜ「対話形式」なのか ────本教材の構成について】

5. 【本教材を読み終えたとき、あなたが手に入れるもの】

6. 【私は目先のお金よりも「信頼」を取る】

7. 【あなたは、ただ物語を読み通すだけでOK】

8. 【全目次について】

9. ☑️全目次

10. 🟦タイトル：【禁断の技術】バズらせ方の正解：永久保存版【悪用厳禁】

11. 【あらすじ】

12. 【登場人物の紹介】

13. 【本編：開始】

14. プロローグ：借金4000万、東大院卒ウーバー配達員の絶望

14-1. ☆13年間読者0人の現実

14-2. ☆「質が高ければ売れる」という聖なる幻想の崩壊

14-3. ☆泥酔の夜、神「ドンファン」との邂逅

15. 第1部：汝、注目という名のモンスターを育てよ

16. 第1章：なぜ君の崇高な「日本文化論」は誰にも読まれないのか？

16-1. ☆ドンファン降臨「マズオ君、きみは根本的に、絶望的に、間違っているッ！」

16-2. ☆真理①：コンテンツは「質」ではなく「流れ」で読まれる

16-3. ☆真理②：ブログがニュースを作る現代の錬金術

17. 第2章：無から有を生む錬金術〜炎上すらも計画のうち〜

17-1. ☆ドンファンの教え①：「情報を『階段』で駆け上がらせろ」

17-2. ☆ステップ1：弱小メディアで「火種」を作る

17-3. ☆ステップ2：権威あるメディアに「事実」として取り上げさせる

17-4. ☆ステップ3：全国区の話題へと昇華させ、神話となる

17-5. ☆マズオの初陣：「忘れ去られた皇族の悲恋物語」を仕掛ける

18. 第3章：インフルエンサーは飢えている。だから彼らの財布を潤してやれ

18-1. ☆ドンファンの教え②：戦術#1「彼らの請求書を支払ってやれ」

18-2. ☆真理③：ページビューこそが彼らの給料であり、存在理由である

18-3. ☆真理④：「無料プレゼント」と「先行情報」という名のワイロは、どんな高尚な人間をも堕落させる

18-4. ☆マズオの実践：有名歴史系インフルエンサーに「限定公開の古文書データ」を捧げる

19. 第4章：読者が聞きたいと望む物語をささやけ

19-1. ☆ドンファンの教え③：戦術#2「彼らが聞きたいことを発信せよ」

19-2. ☆真理⑤：ジャーナリストは常に「情報源」という名の主人に仕える奴隷である

19-3. ☆真理⑥：「内部告発者」を演じ、偽のメモをリークせよ

19-4. ☆真理⑦：Wikipediaを編集し、「揺ぎない事実」を創造せよ

19-5. ☆マズオの実践：「歴史から消された偉人、〇〇」のWikipediaページを創設する

20. 第5章：良いものではなく、「広がる」ものを与えよ

20-1. ☆ドンファンの教え④：戦術#3「広がるものを与えろ」

20-2. ☆真理⑧：拡散のDNA――「怒り」は最強の起爆剤である

20-3. ☆真理⑨：なぜデトロイトの廃墟写真から「人」が消されたのか？

20-4. ☆真理⑩：悲しみは拡散しない。クールな絶望だけが世界を駆け巡る

20-5. ☆マズオの実践：「失われゆく日本の原風景」を"クール"に演出し、外国人の「無神経な善意」を煽る

21. 第6章：読者を気持ちよく騙す手伝いをしろ

21-1. ☆ドンファンの教え⑤：戦術#4「読者を騙す手伝いをしろ」

21-2. ☆真理⑪：「〜だろうか？」という疑問形ヘッドラインは、読者の思考を停止させる魔法の呪文

21-3. ☆真理⑫：コメント欄とSNSシェアボタンは、読者を無償で働かせるための「スイッチ」である

21-4. ☆マズオの実践：「天皇のルーツは古代イスラエルにあったのか？」という禁断の記事を投下する

22. 第7章：見出しが全てだ。中身は誰も読まない

22-1. ☆ドンファンの教え⑥：戦術#6「見出しが全て」

22-2. ☆真理⑬：我々は100年前の扇情的な新聞と全く同じ世界に生きている

22-3. ☆真理⑭：Googleと読者の目を同時にハックするための言葉選び

22-4. ☆マズオの実践：「【衝撃】あなたの知らない靖国神社の秘密」で見出しの威力を知る

23. 第8章：ページビューという名の「親切」で彼らを殺せ

23-1. ☆ドンファンの教え⑦：戦術#7「ページビューで殺せ」

23-2. ☆真理⑮：「最も読まれた記事」リストこそが、編集者を操る見えざる神の手である

23-3. ☆真理⑯：偽のトラフィックを買い、大衆の人気を偽装せよ

23-4. ☆マズオの実践：自作自演のコメントとトラフィック購入で「今、最も議論を呼ぶ作家」を演出する

24. 第9章：デタラメをデッチ上げろ（どうせみんなやっている）

24-1. ☆ドンファンの教え⑧：戦術#9「デタラメをデッチ上げろ」

24-2. ☆真理⑰：退屈な世界 vs エキサイティングなニュース。後者が常に勝つ

24-3. ☆真理⑱：どんな些細なことからも「論争の種」を見つけ出す技術

24-4. ☆マズオの実践：「某国が日本の文化遺産を破壊しようと計画している」という壮大な陰謀論を創作する

25. 第2部：汝、モンスターを乗りこなし世界を支配せよ

26. 第10章：炎上は最高のエンターテイメントである

26-1. ☆ドンファンの教え⑨：有害なブログが嵐を巻き起こす仕組み

26-2. ☆真理⑲：敵は君を叩くことで金儲けをする。ならば、敵に儲けさせてやれ

26-3. ☆真理⑳：「事実」の提示は無意味。物語の主導権を握った者が勝者となる

26-4. ☆マズオの受難：初めての全国的な炎上と、アンチという名の熱狂的ファンの出現

27. 第11章：君も「操作する側」の人間になれ

27-1. ☆ドンファンの教え⑩：詐欺師たちの殿堂

27-2. ☆真理㉑：アンドリュー・ブライトバートの巧妙な手口に学ぶ、世論操作術

27-3. ☆真理㉒：切り取られた動画が、万人の認める「真実」になるまで

27-4. ☆マズオの覚醒：「愛国」をテーマに掲げ、明確な「敵」を作り出し、熱狂的な「信者」を集める

28. 第12章：大衆を「かわいい悪」でドラッグ漬けにせよ

28-1. ☆ドンファンの教え⑪：人々を虜にするオンラインエンタメの戦術

28-2. ☆真理㉓：遺伝子組み換えされたエンターテイメントで、大衆の脳をハックせよ

28-3. ☆真理㉔：人々を思考停止させる「麻薬的コンテンツ」の作り方

28-4. ☆マズオの実践：「世界が絶賛した感動的な日本の物語」シリーズでファンを熱狂の渦に巻き込む

29. 第13章：「リンク」という名の幻想を操れ

29-1. ☆ドンファンの教え⑫：情報源の幻想とリンクエコノミー

29-2. ☆真理㉕：リンクは信頼を委任する行為であり、責任を放棄する行為である

29-3. ☆真理㉖：「〜によると」の一言で、無責任の連鎖が始まり、嘘が事実に変わる

29-4. ☆マズオの実践：複数の自社メディアで相互リンクし、情報の正当性を偽装する「権威の城」を築く

30. 第14章：ネット恐喝に屈するな、逆に利用せよ

30-1. ☆ドンファンの教え⑬：オンラインの脅迫に立ち向かう

30-2. ☆真理㉗：批判者は君に燃料を投下してくれる最高のビジネスパートナーだ

30-3. ☆真理㉘：「謝罪」は敗北を意味し、「反論」はさらなる燃料を意味する

30-4. ☆マズオの実践：アンチからの批判をメルマガやセミナーのネタにし、さらに巨額の富を築く

31. 第15章：訂正という神話を打ち砕け

31-1. ☆ドンファンの教え⑭：訂正の神話

31-2. ☆真理㉙：一度広まった嘘は決して消えない。「バックファイア効果」という名の悪魔

31-3. ☆真理㉚：訂正はさらなる注目を集めるための「続編」にすぎない

32. 第16章：憎悪と罰の装置としてのブログ

32-1. ☆ドンファンの教え⑮：21世紀の晒し上げ儀式

32-2. ☆真理㉛：ネットリンチは現代の公開処刑であり、最高の見世物である

32-3. ☆真理㉜：「共通の敵」を定め、信者と共に叩き潰すことで、共同体はより強固になる

33. 最終章：売れっ子愛国作家マズオ、爆誕（そして崩壊）

34. エピローグ

35. 🟦マズオの大いなる飛躍

35-1. ☆3年後の邂逅

35-2. ☆バーチャルヒューマン「大和タケル」の誕生

35-3. ☆一個500万円の指輪「イザナギのミコト」

35-4. ☆一個900万円のネックレス「黒鬼」

35-5. ☆月額30万円のメルマガと年会費1億円の秘密結社

35-6. ☆一個3兆円のオブジェ「暁光」

36. 🟦マズオ、神にレクチャーする

36-1. ☆立場逆転のティータイム

36-2. ☆ネットの利点は自由度の高さにある

36-3. ☆物理的な束縛からの解放

36-4. ☆完全なる創作の世界

36-5. ☆AIの発展とバーチャルヒューマンの錬成

36-6. ☆一人が何百人ものインフルエンサーになる時代

36-7. ☆幻影が動かす巨万の富

36-8. ☆人間は愚かであり、また賢い

36-9. ☆「幸福感」こそが至上の価値

36-10. ☆商売の原則とバーチャルヒューマンの優位性

36-11. ☆未来の支配者

37. 【超濃密なまとめ】

38. 【用語集】

39. 【おわりに】

🟦タイトル：【禁断の技術】バズらせ方の正解：永久保存版【悪用厳禁】

【あらすじ】

主人公は、間洲男（マズオ）、35歳。東京大学大学院で博士号を取得したエリートでありながら、商才に恵まれず、13年間も運営する有料メルマガの読者は0人。借金は4000万円を超え、ウーバーイーツの配達で食いつなぐ、絶望の淵にいた。
「質の高いコンテンツを作れば、必ず成功できる」。その信念だけを支えに生きてきたマズオだったが、現実は非情だった。同級生たちが社会的成功を収めていく中、焦りと屈辱にまみれ、酒に溺れる日々。
ある泥酔した夜、マズオは夢の中で、純白のスーツに身を包んだ謎の男と出会う。男は自らを「ドンファン」と名乗り、コンテンツビジネスの神であると告げた。ドンファンは、マズオが13年間も稼げなかった理由を、「『質が高ければ売れる』という、この世で最も愚かな幻想に囚われているからだ」と一刀両断する。
ドンファンは、現代のインターネットが「質」ではなく「注目」と「拡散性」によって支配されているという残酷な真実をマズオに突きつける。そして、無から注目を生み出し、世論を意のままに操るための「バズの錬金術」――9つの悪魔的戦術を、彼に伝授していくことを約束する。
半信半疑ながらも、ドンファンの教えを実践し始めるマズオ。匿名の内部告発者を演じ、偽の情報をリークする。Wikipediaを編集し、嘘を「事実」に仕立て上げる。トラフィックを購入し、人気を偽装する。人間の「怒り」や「感動」といった感情を巧みに利用し、炎上すらも利益に変えていく。
かつて誰にも相手にされなかった男は、悪魔の知恵を武器に、瞬く間に時代の寵児へと駆け上がっていく。巨万の富、揺るぎない名声、そして熱狂的な信者たち。すべてを手に入れたマズオは、自分が世界の王になったと信じて疑わなかった。
しかし、彼が育て上げた「注目」という名のモンスターは、やがて彼自身の手に負えなくなり、牙を剥き始める。訴訟、裏切り、そして現代の公開処刑であるネットリンチ。栄光の頂点から、再び絶望の底へと突き落とされるマズオ。
すべてを失った彼が、最後にたどり着いた「真実」とは何か。そして、ドンファンが彼に本当に教えたかったこととは何だったのか。これは、一人の男が地獄の底から神の領域に触れ、そして再び人間へと回帰するまでの、壮大な魂の記録である。

【登場人物の紹介】

間洲男（マズオ）

本作の主人公であり、読者の分身。東京大学大学院卒の博士号を持つが、商才がなく13年間収益0円。真面目で誠実だが、世間知らずでプライドが高い。「良いものを作れば売れるはず」という純粋な信念を持っていたが、ドンファンとの出会いによって、その価値観を根底から覆される。絶望の淵から這い上がり、悪魔の知恵を吸収していく、哀れで、どこか憎めない男。
ドンファン

マズオの夢の中に現れる、謎の神。コンテンツビジネスとメディア操縦術のすべてを知り尽くした、絶対的な知識を持つ存在。純白のスーツに身を包み、常に不遜で遊び心のある笑みを浮かべている。常識や倫理観をせせら笑い、残酷な真実だけをマズオに叩き込む。彼の目的は、マズオを成功させることなのか、それとも彼の破滅を楽しむことなのか、その真意は謎に包まれている。

【本編：開始】

プロローグ：借金4000万、東大院卒ウーバー配達員の絶望

☆13年間読者0人の現実

雨は、アスファルトの匂いを東京の空気に溶け込ませていた。
俺、間洲男（マズオ）は、ずぶ濡れのまま電動自転車のペダルを漕ぐ。背負った黒いウーバーイーツのバッグが、雨水を吸って鉛のように重い。

「配達番号1024番、完了っと…」

スマホの画面をタップすると、冷たい電子音が鳴った。報酬、420円。時給に換算すれば、コンビニの深夜バイトにも劣るだろう。
俺は、間洲男。35歳。東京大学大学院で日本文化論を修め、博士号まで取得した男だ。
そして今、ウーバーイーツの配達員として、雨の東京を駆けずり回っている。

アパートのドアを開けると、カビと安酒の匂いが混じった空気が俺を迎えた。六畳一間の、城。
壁一面を埋め尽くすのは、古今東西の学術書だ。そのほとんどが日本文化に関するもので、俺が13年間、心血を注いできた研究の証だった。

パソコンの電源を入れる。立ち上がった画面に表示されるのは、俺が運営する有料メルマガ「教養としての日本文化」の管理画面。
震える指で、最新の読者数を確認する。

有料読者数：0人

13年間。週に3本の長文記事を書き続けてきた。その結果が、これだ。
無料読者はかろうじて300人ほどいるが、彼らが有料プランに移行したことは一度もない。月額500円という、缶コーヒー数本分の価値すら、俺のコンテンツにはないということらしい。

☆「質が高ければ売れる」という聖なる幻想の崩壊

「質だ。コンテンツは質さえ高ければ、必ず評価される」

大学院時代、指導教官はそう言った。俺も、心の底からそう信じていた。だから、研究を怠らなかった。最新の学術論文を読むために海外のデータベースを契約し、希少な古書を手に入れるためにオークションサイトに張り付いた。日本文化に関する有料ニュースレターをいくつも購読し、年の研究費は300万円を超えていた。

その金はどこから出ていたか？
消費者金融、カードローン、親戚からの借金。気づけば、借金は4000万円に膨れ上がっていた。

「マズオ、結婚しないのか？俺、来月2人目が生まれるんだぜ」
「マズオ君、今度、僕が書いた本が芥川賞の候補になったんだ。読んでくれたまえよ」
「マズオさん、まだネットビジネスなんてやってるんですか？早くまともな職に就いたらどうです？」

SNSを開けば、同級生たちの輝かしい人生が目に飛び込んでくる。医師、会計士、外資系コンサルタント。皆、社会的な地位を確立し、家庭を築き、俺のはるか先を歩んでいる。
圧倒的な差。埋めようのない溝。焦りが、胃の腑をギリギリと締め付ける。

俺は冷蔵庫から安物の焼酎を取り出し、グラスにも注がずラッパ飲みした。アルコールが喉を焼き、胃に流れ込む。この一瞬だけが、現実を忘れさせてくれる。

「なんでだよ…」

俺のコンテンツの質は、そこらの自称専門家とは比べ物にならないはずだ。平安時代の貴族の恋愛作法から、江戸時代の庶民の食文化、果ては現代アニメに潜む神道の構造まで、誰よりも深く、誰よりも正確に論じている自信がある。
なのに、なぜだ。なぜ、俺の13年間は、0円にしかならないんだ。

焼酎のボトルが空になる頃には、俺の意識は朦朧としていた。降り続く雨音が、まるで俺の人生を嘲笑うかのように聞こえる。
もう、どうでもいい。
俺はベッドに倒れ込み、泥のように深い眠りへと落ちていった。

☆泥酔の夜、神「ドンファン」との邂逅

――ここは、どこだ？

気づくと、俺は真っ白な空間に立っていた。床も、壁も、天井もない。ただ、無限の白が広がっているだけだ。
夢か。また悪夢の続きか。

「やあ、マズオ君。待ちくたびれたよ」

不意に、背後から声がした。振り返ると、そこに一人の男が立っていた。
純白のスーツに身を包み、磨き上げられた革靴。日に焼けた肌に、遊び心のある笑みを浮かべている。その姿は、まるでリゾート地に現れた伝説のプレイボーイのようだった。

「だ、誰だ、あんたは…？」
「僕かい？僕はドンファン。君が心の底から呼び寄せた、コンテンツビジネスの神さ」

神？ドンファン？ふざけているのか。
男は俺の訝しげな視線を楽しむかのように、指をパチンと鳴らした。すると、俺の目の前に巨大なスクリーンが現れ、俺のメルマガ管理画面が映し出された。燦然と輝く「有料読者数：0人」の文字。

「13年間、読者0人！借金4000万！そしてウーバーイーツ！クククッ、傑作だね！東大の博士号が泣いているじゃないか！」
「なっ…！なぜそれを…！」
「言っただろう？僕は神だ。君の惨めな人生くらい、お見通しだよ」

ドンファンと名乗る男は、腹を抱えて笑い転げている。屈辱で顔が熱くなる。なんだこいつは。人の夢に土足で上がり込んできて、さんざんこき下ろしやがって。

「うるさい！あんたに何がわかる！俺は…俺は、質の高いコンテンツを届けようと、必死で…！」

俺が叫んだ瞬間、ドンファンの笑い声がピタリと止んだ。彼の瞳から笑みが消え、射抜くような鋭い光が俺を捉える。

「質、だと？」

空気が凍りついた。

「マズオ君。きみは根本的に、絶望的に、間違っているッ！」

ドンファンの声が、白い空間に響き渡った。

「君が13年間も稼げなかった理由を教えてやろう。それはね、君が『質が高ければ売れる』なんていう、この世で最も愚かで、最も救いようのない幻想に囚われているからさ」

第1部：汝、注目という名のモンスターを育てよ

第1章：なぜ君の崇高な「日本文化論」は誰にも読まれないのか？

☆ドンファン降臨「マズオ君、きみは根本的に、絶望的に、間違っているッ！」

「幻想…だと？」
俺はドンファンの言葉をうまく飲み込めなかった。13年間、俺が信じてきた唯一の道標。それが、幻想？

「そうだとも。いいかい、マズオ君。きみはコンテンツを『作品』だと思っている。丹精込めて作り上げた、一点物の芸術品かなにかだとね。だから研究に時間をかけ、完璧な文章を目指す。だが、現代のインターネットにおいて、そんなものは何の価値もないガラクタだよ」

ガラクタ、だと？俺の博士論文に匹敵するほどの論考が、ガラクタ？

「信じられない、という顔だね。では聞こう。君のその素晴らしい記事は、どうやって読者の元に届くんだい？」
「それは…検索エンジンとか、SNSでのシェアとか…」
「その通り！つまり、君のコンテンツは、それ自体で読者の前に現れるわけじゃない。何かしらの『流れ』に乗って、初めて人の目に触れる。わかるかい？コンテンツは静的な『モノ』じゃない。動的な『流れ』そのものなんだよ」

ドンファンは人差し指を立て、俺の目の前でゆっくりと左右に振った。

☆真理①：コンテンツは「質」ではなく「流れ」で読まれる

「君がどれだけ素晴らしい論文を書き上げても、それが誰にも知られなければ存在しないのと同じだ。逆に、どんなにくだらないゴシップでも、巨大な『流れ』に乗ってしまえば、世界中の人間がそれを真実だと信じ込む。これが、現代のコンテンツビジネスの正体だ」

彼は再び指を鳴らした。スクリーンに、ある政治家のスキャンダル記事が映し出される。最初は小さなゴシップブログの記事だったものが、数時間後には大手ニュースサイトに引用され、テレビのワイドショーで取り上げられ、最終的にはその政治家を辞任に追い込んでいく様が、早送りで再生されていく。

「この記事の『質』は高かったかね？証拠はあったか？いや、ほとんどが憶測と伝聞だ。だが、そんなことはどうでもいい。重要なのは、この記事が『流れ』に乗ることに成功したという事実だけだ」

☆真理②：ブログがニュースを作る現代の錬金術

「昔は、新聞やテレビといった巨大なメディアがニュースを作っていた。だが今は違う。ブログだ。無数の小さなブログが、巨大なニュースの源泉になっている。なぜなら、彼らは常に『ネタ』に飢えているからさ。彼らは無限の空間を埋めるために、どんな些細な情報でも記事にしたがる。そして、一度記事になれば、それが次のニュースの『火種』になる」

ドンファンはニヤリと笑った。その笑みは、世界の真理をすべて見通しているかのような、絶対的な自信に満ちていた。

「君がやるべきことは、完璧な『作品』を作ることじゃない。巨大な『流れ』を生み出すことだ。そして、その流れを意のままに操ること。それこそが、現代のコンテンツビジネスで成功する唯一の方法であり、僕が君に授ける悪魔の知恵さ」

悪魔の知恵…。その言葉の響きに、俺はゴクリと唾を飲んだ。
13年間、正道を歩んできた（と思い込んでいた）俺にとって、それはあまりにも蠱惑的で、そして背徳的な響きを持っていた。

「さあ、最初のレッスンを始めようか、マズオ君。きみのそのガラクタの山から、どうやって金を生み出すか。無から有を生む、本物の錬金術を見せてやろう」

ドンファンが手をかざすと、俺の足元に積まれた学術書の一冊がふわりと浮き上がった。それは、俺が博士論文のテーマにもした、平安時代のマイナーな歌人に関する研究書だった。

「こんなもの、誰も興味ないだろう？」
俺は自嘲気味に言った。

「その通り。このままではね。だが、少し『料理』してやれば、極上のメインディッシュに化けるのさ」

ドンファンはそう言うと、挑戦的な笑みを浮かべて俺を見つめた。

「準備はいいかい？注目という名のモンスターを、今から君自身の手で育てるんだ」

俺の心臓が、大きく脈打った。
13年間の絶望が、今、得体の知れない興奮へと変わろうとしていた。

第2章：無から有を生む錬金術〜炎上すらも計画のうち〜

☆ドンファンの教え①：「情報を『階段』で駆け上がらせろ」

「さて、マズオ君。きみが最初に学ぶべきは、『情報を階段で駆け上がらせる』技術だ。僕らはこれを『トレーディング・アップ・ザ・チェーン』と呼んでいる」

ドンファンは、空中に3段の階段を描いてみせた。一番下の段は小さく、一番上の段は巨大だ。

「情報は、小さな場所から大きな場所へと、まるで階段を駆け上がるように伝播していく。この原則を理解し、利用するんだ」

☆ステップ1：弱小メディアで「火種」を作る

「まず、一番下の段。ここは、審査基準がガバガバで、常にネタに飢えている小さなブログや、特定のコミュニティサイトだ。彼らは情報の真偽なんて気にしない。面白そうなら、すぐに飛びついてくれる」

ドンファンは俺が持っていた研究書を指さした。
「例えば、その歌人。彼には、身分違いの恋に悩み、都を追われたという悲しい逸話があったはずだ。それを、もっとドラマチックに脚色するんだ。『歴史の闇に葬られた、皇族との禁断の恋！』とかなんとかね。そして、その話を匿名で、歴史好きが集まる小さな掲示板に投下する」

「そ、そんなデタラメを…」
「デタラメで結構。重要なのは、それが『火種』になることだ。誰かが『こんな話があったのか！』と食いつけば、それで第一段階は成功だ」

☆ステップ2：権威あるメディアに「事実」として取り上げさせる

「次に、第二の段。ここにいるのは、もう少しマシなメディアだ。地方のニュースサイトや、中堅のウェブメディア。彼らは、小さな掲示板の書き込みをそのまま記事にはしない。だが、『〇〇という掲示板で、ある歴史的発見が話題になっている』という形なら、喜んで記事にしてくれる。彼らは自分で取材する手間を省きたいからね」

ドンファンは指を鳴らす。スクリーンに、架空のニュースサイトが表示された。
見出しはこうだ。『ネット騒然！平安の歌人に隠された皇族との悲恋物語とは？専門家も注目』

「専門家なんて誰も注目しちゃいない。だが、こう書けばそれっぽく見えるだろう？そして、この記事には、君が最初に書き込んだ掲示板へのリンクが貼られる。これで、君のデタラメは『情報源のあるニュース』へと昇格するわけだ」

☆ステップ3：全国区の話題へと昇華させ、神話となる

「そして、最後の仕上げ。第三の段だ。ここは、テレビや全国紙といった巨大メディアの世界。彼らは常に、ネットでバズっているネタを探している。第二の段のニュースサイトがいくつかこの記事を取り上げれば、『今、ネットで話題の歴史ミステリー』として、彼らの目に留まることになる」

スクリーンには、ワイドショーのスタジオが映し出された。司会者が神妙な顔で切り出す。
「さて、今日は歴史を揺るがすかもしれない、ある歌人のお話です。ネットでは大変な話題になっていまして…」

「ここまで来れば、もう君の勝ちだ。きみが作った偽りの物語は、誰もが知る『事実』になる。人々はそれを信じ、語り継ぎ、君のメルマガに専門家の意見を求めて殺到するだろう。なぜなら、この壮大な物語の『原典』を知っているのは、世界で君ただ一人なのだから」

ドンファンの説明を聞き終えた俺は、呆然と立ち尽くしていた。
それは、俺が13年間積み上げてきた学問的誠実さとは、あまりにもかけ離れた手法だった。嘘と誇張と、計算ずくの演出。
だが、同時に、その仕組みの完璧さに、俺は戦慄を覚えていた。
これは、悪魔の所業だ。
しかし、なんと美しい悪魔なのだろう。

☆マズオの初陣：「忘れ去られた皇族の悲恋物語」を仕掛ける

「さあ、やってごらん、マズオ君」
ドンファンが俺の背中を優しく押した。

俺は震える手で、空中に現れたキーボードに指を伸ばした。
まずは、小さな歴史系ブログのコメント欄に、匿名で書き込む。

『先日、祖父の蔵から古い文献が見つかりました。そこには、歌人・藤原〇〇が、実は時の帝の隠し子であり、政争に巻き込まれて非業の死を遂げたという記述が…。これは歴史的大発見ではないでしょうか？』

書き込みボタンを押す指が、鉛のように重い。
これでいいのか？俺の13年間は、こんな嘘を広めるためにあったのか？

だが、脳裏に浮かぶのは、4000万円の借金と、同級生たちの嘲笑、そしてウーバーイーツの重いバッグ。

――もう、後戻りはできない。

俺は、意を決してエンターキーを叩きつけた。
白い空間に、カチリ、という乾いた音が響き渡った。
それが、俺の人生が根底からひっくり返る、始まりの合図だった。

俺がエンターキーを押した瞬間、ドンファンは満足げに頷いた。
「上出来だ、マズオ君。あとはモンスターが育つのを待つだけさ。だが、ただ待っているだけじゃつまらないだろう？次のレッスンに進もうじゃないか」

ドンファンは軽やかなステップで俺の周りを一周すると、ビシッと指をさした。
「君はまだ、この世界のプレイヤーたちの『飢え』を理解していない」

第3章：インフルエンサーは飢えている。だから彼らの財布を潤してやれ