本教材の定価は「3万円」です。

【本教材の価格について】

本教材の定価は「3万円」です。

しかしながら公開から3日は「300円」で提供いたします。

これは先行者に報いるための価格設定です。

私は、アーリーアダプターを「えこひいき」します。

【なぜこのコンテンツを作ったのか】

今回このコンテンツを作った理由は、非常にシンプルです。

コンテンツビジネスで稼げていない人を救いたかったからです。

本コンテンツの作成には多くのエネルギーを使いました。

構想に5年、執筆に3ヶ月の時間をかけ、リサーチや文献代だけでも総額2500万円を投じて、この物語形式の教材を完成させました。なぜそこまでしたのか。それは、私自身がかつて、質の高いコンテンツさえ作れば売れるはずだと信じ込み、7年間も失敗し続けた経験があるからです。

コンテンツビジネス、なかなか難しいですよね。でも、コツは確かに存在します。「こういう風にやればいいのね」というパターンとか「構成要素」とかがあるんですね。それを今回、主人公マズオとエジプトの神ホルスの対話という物語形式で示して、困っている人を救えたらなぁと思います。

あなたが今、有料メルマガやnote、オンラインサロンなどで思うように稼げていないとしたら、それはあなたの能力不足ではありません。ただ、顧客が本当に求めているものを理解していないだけです。この物語を通じて、その本質をお伝えします。

【このコンテンツを読むベネフィット】

このコンテンツを読み終えた時、あなたは以下のことが明確にわかるようになります。

まず、商売の原理原則がわかります。顧客が買うのは「商品」ではなく「理想の未来」であること。その未来をどのように「物語」として構築し、提示すればよいのかが具体的に理解できます。

次に、お金になるコンテンツを作れるようになります。900万円のネックレス、会費1億円の秘密結社、3兆円のオブジェ。これらがなぜ売れるのか、その仕組みを物語を通じて体得することで、あなたも同じ原理を使って高額商品を作り、販売できるようになります。

さらに、お金をもらう罪悪感から解放されます。多くのコンテンツビジネス実践者が抱える「高額で売るのは詐欺ではないか」という不安。この物語は、その罪悪感が単なる誤解であることを明らかにし、あなたを精神的な足かせから解き放ちます。

最後に、スピリチュアルビジネスの本質がわかります。なぜ怪しいと言われながらも、この分野が巨大な市場を形成しているのか。その心理的メカニズムと、実践的な応用方法を学ぶことができます。

この物語は、単なるノウハウ集ではありません。あなたの商売観、価値観、そして人生観を根底から変革する、強烈な体験となるでしょう。

【私は目先のお金よりも「信頼」を取る】

正直に告白します。

本教材で紹介している手法を使って、私はこれまでに9000万円ほど稼ぎました。有料メルマガ、高額セミナー、そして限定コミュニティの運営。すべて、この物語の中でホルスがマズオに教えた原理原則をそのまま実践した結果です。

本来であれば、この知識は門外不出の企業秘密です。なぜなら、この手法を知る人が増えれば増えるほど、競争相手が増えることになるからです。

ビジネスの常識で考えれば、こんな核心的なノウハウを公開するなんて愚かな行為です。独占していれば、これからも安定的に稼ぎ続けることができたはずです。

では、なぜ今回公開したのか。

それは、目先のお金よりも長期の「信頼」を取ろうと決めたからです。

現代において、最も価値があるのはもはやお金ではありません。信頼です。信頼があれば、ビジネスは驚くほどスケールしやすくなります。新しい商品を出せば、説明する前から買ってくれる人が現れます。困った時には、助けてくれる仲間が集まります。そして何より、自分のやっていることに誇りを持てるようになります。

私は今、月収1000万円を超える収入がありますが、それ以上に価値があると感じているのは、読者の方々からいただく「あなたのおかげで人生が変わりました」という言葉です。この信頼関係こそが、最大の資産なのです。

だからこそ、今回あえてリスクを取りました。私が7年間の失敗と、その後の成功で蓄積してきた知識のすべてを、この物語に込めました。これを読んだあなたが成功し、私のライバルになったとしても、それは名誉なことです。

なぜなら、あなたの成功が、私への信頼の証明になるからです。

この物語を通じて、一人でも多くの人が、コンテンツビジネスで成功への道を見つけてくれることを心から願っています。

【本教材の説明】

本教材は、少し変わった形式を採用しています。

それは、対話形式の物語です。借金4500万円のウーバーイーツ配達員マズオと、古代エジプトの神ホルスが繰り広げる、奇妙で刺激的な対話。この物語を読み通すだけで、情報発信で稼ぐコツや、お金になるコンテンツの作り方が自然と頭に入ってきます。

なぜ物語形式なのか。それは、人間の脳が最も効率的に学習できるのが「ストーリー」だからです。ノウハウをただ羅列しても、それは表面的な理解で終わってしまいます。しかし、物語として体験することで、その知識は血肉となり、あなたの一部になるのです。

この物語を何度も読むことで、コンテンツビジネスの本質が無意識のレベルまで浸透します。すると不思議なことが起きます。新しくアカウントを立ち上げて情報発信を始めると、努力している感覚もないのに、自然と収益が発生し始めるのです。早い人で1ヶ月、遅くとも3ヶ月以内には、最初の売上が立つでしょう。

私自身、7年間もコンテンツビジネスで全く稼げない暗黒時代を過ごしました。しかし、コツをつかんでからは、まるで別世界に入ったかのように収益が爆増しました。現在までの累計収益は5億円を超えています。

この劇的な変化をもたらしたのは、才能でも運でもありません。この物語の中でホルスが語る「原理原則」を理解し、実践しただけです。

物語の中で、マズオは次々と常識を覆されていきます。「良いコンテンツを作れば売れる」という幻想。「顧客のために」という建前。「高額商品は詐欺」という罪悪感。これらすべてが、いかに的外れな思い込みだったかを、あなたも追体験することになるでしょう。

読み進めるうちに、あなたの中で何かが変わっていくのを感じるはずです。それは、商売に対する見方であり、お金に対する価値観であり、そして自分自身に対する評価です。

物語を読み終えた時、あなたはもう、以前のあなたではありません。コンテンツビジネスの奥義を体得した、新しいあなたになっているのです。

それでは、マズオとホルスの奇妙な出会いから始まる、この壮大な物語をお楽しみください。あなたの人生を変える旅が、今、始まります。

本教材の全体像

☑️全目次

全目次を公開する理由
本コンテンツでは、有料部分までも含めて、すべての章立てとトピック名を公開しています。
これは、中身を最大限お見せするためです。私は、読者の方に購入前から内容をしっかりと把握していただきたいと考えています。目次を見れば中身がおおよそ分かるくらい、細かく章立てやトピック名を設定しました。
序章から終章まで、そして補講や特別講座に至るまで、すべてのセクションタイトルを隠すことなく掲載しています。たとえば「900万円のネックレス『ヴォルテックス』が飛ぶように売れる理由」や「王族が欲しがる『3兆円のオブジェ』を売る方法」といった具体的なトピック名からも、どのような内容が展開されるのかイメージしていただけるはずです。
これは、私なりの誠実さの表現でもあります。情報商材の多くが中身を隠して期待値だけを煽りますが、私はそうしたくありません。あなたが本当に必要としている内容かどうか、事前に判断できるようにしています。
どうぞ、全目次をサラっとご覧ください。そこから、マズオとホルスが繰り広げる壮大な物語の全貌と、あなたが学ぶことになる知識の深さを感じ取っていただければ幸いです。
目次を読むだけでも、コンテンツビジネスの構造が少し見えてくるかもしれません。それほどまでに、各章のタイトルには本質的なヒントを込めています。

1. 【なぜこのコンテンツを作ったのか】

2. 【このコンテンツを読むベネフィット】

3. 【私は目先のお金よりも「信頼」を取る】

4. 【本教材の説明】

5. 本教材の全体像

6. ☑️全目次

7. 🟦タイトル：『ホルス直伝！マネタイズスキルを爆上げする究極のマインド〜コンテンツビジネスで稼げていない全ての人へ〜』

8. 【あらすじ】

9. 【登場人物の紹介】

10. 【本編：開始】

11. 序章：月収3000円の秀才、泥酔の果てに神と出会う

11-1. ☆有料読者3人の物理学メルマガ

11-2. ☆鳴りやまない督促の電話と、冷たい汗

11-3. ☆ホルス降臨

12. 第一部：認識の変革編～お前の「常識」を破壊する～

13. 第一章：なぜお前の「完璧な情報」は売れないのか？

13-1. ☆ホルス、一刀両断！

13-2. ☆マズオの絶望

13-3. ☆未来を売る商売

14. 第二章：人類史上、最も儲けた「物語」の一つを解剖する

14-1. ☆教科書『Going Clear』登場

14-2. ☆教祖 L. ロン・ハバードという「主人公」の作り方

14-3. ☆信者はなぜ大金を払い、人生を捧げたのか？

15. 第三章：信者（ファン）は「真理」ではなく「救済の物語」を買っている

15-1. ☆ハリウッドスターという名の広告塔

15-2. ☆黄金の鉱脈としてのコンプレックス

15-3. ☆あなたの顧客は誰か？

15-4. ☆マズオ、衝撃の気づき

16. 第二部：コンテンツ創造の秘術編～世界観で信者を囲い込め～

17. 第四章：教祖（あなた）という「英雄」を創造せよ

17-1. ☆9年間の失敗を伝説に変える

17-2. ☆有料メルマガ「ユニコーンのお告げ」創刊計画

18. 第五章：信者（ファン）を虜にする「世界観」と「専門用語」

18-1. ☆我々だけが知る「真実」

18-2. ☆レベルアップの快感と秘密の言葉

19. 第六章：「選ばれし者」の共同体（コミュニティ）を作る

19-1. ☆孤独という人間の根源的恐怖

19-2. ☆共通の敵が団結を生む

19-3. ☆秘密結社「ハイヤーセルフ・ソサイエティ」構想

20. 第三部：集客と販売の錬金術編～凡庸な石をダイヤモンドに変える～

21. 第七章：無料という名の「聖なる撒き餌」で民を導け

21-1. ☆始まりは「無料ストレスチェック」

21-2. ☆YouTubeという現代の辻説法

22. 第八章：900万円のネックレス「ヴォルテックス」が飛ぶように売れる理由

22-1. ☆価値は「物語」が決める

22-2. ☆「付加価値」という名の錬金術

22-3. ☆高額商品を売るための演出術

23. 第九章：熱狂と献金を生み出す「儀式」（セミナービジネス）の設計

23-1. ☆集団の熱狂が理性を麻痺させる

23-2. ☆高揚感の中で財布の紐は緩む

23-3. ☆信者たちの再生産

24. 第十章：「年会費1億円」でも入りたい、秘密結社の作り方

24-1. ☆究極のステータスとしての「秘密結社」

24-2. ☆「誰でも入れる場所」に価値はない

24-3. ☆会員だけが享受できる究極のメリット

25. 第四部：帝国建設と哲学編～ビジネスの果てに見る景色～

26. 第十一章：王族が欲しがる「3兆円のオブジェ」を売る方法

26-1. ☆ターゲットはもはや一般人ではない

26-2. ☆究極の希少価値とステータス

26-3. ☆完売！富を動かす存在へ

27. 第十二章：汝のビジネスは「悪」か？スピリチュアルの社会的意義

27-1. ☆巨万の富を得たマズオの葛藤

27-2. ☆ホルスの最終講義

27-3. ☆究極のサービス業

28. 終章：神は去り、マズオは「新世界の神」となる

28-1. ☆借金地獄からの脱却

28-2. ☆同級生たちの現在

28-3. ☆読者に遺す最後の言葉

28-4. ☆一枚の隼の羽根

29. 補講：神のブランディング講座～幻想こそが真実となる～

29-1. ☆胃痛と悪夢の日々

29-2. ☆ホルス、再臨

29-3. ☆価格を決めるのは誰か？

29-4. ☆効用は無限に高めることが可能だ

29-5. ☆情報空間というもう一つの現実

29-6. ☆ルイ・ヴィトンが売っているもの

29-7. ☆フェラーリのエンジン音とパテック・フィリップの広告

29-8. ☆一流の領域へようこそ

29-9. ☆無限の創造の始まり

30. 特別講座：資本主義の神は感情を求めない～罪悪感からの解放～

30-1. ☆成功の果ての不眠症

30-2. ☆ホルス、三度目の降臨

30-3. ☆商売の鉄則：需要と供給

30-4. ☆お前もリスクを冒したではないか

30-5. ☆世の中に「悪いビジネス」は存在しない

30-6. ☆資本主義の神は感情を求めない

30-7. ☆さあ、勉強せい！

31. 【超濃密なまとめ】

32. 【用語集】

33. 【おわりに】

🟦タイトル：『ホルス直伝！マネタイズスキルを爆上げする究極のマインド〜コンテンツビジネスで稼げていない全ての人へ〜』

【あらすじ】

ケンブリッジ大学大学院を修了した秀才、マズオ。彼は9年間、「教養としての物理学」という有料メルマガを運営してきたが、読者はわずか3人、月の収益は3000円という惨状であった。コンテンツの質さえ高ければ成功できると信じ、月に500万円もの研究費を投じ続けた結果、彼の借金は4500万円にまで膨れ上がっていた。ウーバーイーツのアルバイトで食いつなぎ、同級生たちの輝かしい成功を横目に、彼は絶望の淵にいた。

ある夜、酒と睡眠薬で意識を失ったマズオの夢枕に、古代エジプトの神、ホルスが降臨する。ホルスは、マズオの敗因が「顧客の需要を無視した自己満足」にあると一刀両断。そして、新宗教「サイエントロジー」の戦略を解剖した書籍『Going Clear』を教科書とし、信者（ファン）を熱狂させ巨万の富を築く「コンテンツビジネスの錬金術」についての講義を開始する。

ホルスの教えは衝撃的であった。顧客が買うのは商品ではなく「救済の物語」であること。自分自身を苦難を乗り越えた「英雄」として描き、独自の「世界観」と「専門用語」で信者を囲い込む方法。そして、ルイ・ヴィトンやフェラーリのように、商品の原価とは無関係に、「物語」によって価値を無限に高める「バーチャルバリュー（仮想価値）」の構築術。マズオは、自らが最も軽蔑していたはずのスピリチュアルビジネスこそ、人間心理を知り尽くした究極のサービス業であると悟っていく。

教えを実践したマズオの人生は一変する。有料メルマガ「ユニコーンのお告げ」は読者100万人を突破。900万円のネックレス「ヴォルテックス」は飛ぶように売れ、年会費1億円の秘密結社「ハイヤーセルフ・ソサイエティ」には世界の富裕層が殺到。ついには、王族向けに一個3兆円のオブジェ「宇宙のみなもと」を即日完売させるに至る。

しかし、成功の頂点でマズオは「これは詐欺ではないのか」という強烈な罪悪感に苛まれる。再び現れたホルスは、商売とは需要と供給のマッチングであり、自由な取引の結果であると説き、資本主義の本質を理解していないマズオを叱咤激励する。

罪悪感から完全に解放され、真の商人として覚醒したマズオ。これは、借金4500万円のウーバー配達員が、神の知恵を授かり、世界の富と人の心を動かす「新世界の神」へと変貌を遂げる物語である。

【登場人物の紹介】

マズオ

ケンブリッジ大学大学院を出た秀才でありながら、商才が皆無な男。9年間運営した物理学の有料メルマガの読者はわずか3人。借金4500万円を抱え、ウーバーイーツのアルバイトで生計を立てている。真面目で勉強熱心だが、プライドが高く世間知らず。「良いモノを作れば売れるはず」という思い込みから抜け出せず、絶望の淵にいる。

ホルス

古代エジプトの天空神。マズオの夢に突如現れ、彼の師となる存在。神聖な見た目とは裏腹に、その思考は極めて狡猾で現実的。人間心理と資本主義の原理原則を完璧に理解しており、善悪の彼岸から商売の本質を説く。皮肉屋で口は悪いが、マズオを真の成功者へと導くための、愛ある厳しさを持つ。彼の講義は、マズオの凝り固まった常識を徹底的に破壊していく。

【本編：開始】

序章：月収3000円の秀才、泥酔の果てに神と出会う

☆有料読者3人の物理学メルマガ

マズオは9年間、情報発信を続けていた。だが全く稼げていなかった。彼はケンブリッジ大学の大学院を出ている。勉強はできる男だった。その知識を活かして「有料メルマガ：教養としての物理学」を運営していた。コンテンツの質さえ良ければ勝手に有料読者は増えるだろう。そうすれば自然とお金持ちになれる。彼はそう信じて疑わなかった。

日々の研究も怠らなかった。海外の物理学や数学に関する有料ニュースレターを何十も購読した。高価な学術書も山のように買い込んだ。月の研究費は500万円を超えていた。

しかし現実は残酷だった。

9年という歳月の果てに獲得した有料読者はたったの3人。月の収益は3000円ぽっち。ウーバーイーツのアルバイトでどうにか食いつなぐ毎日。鬱々とした日々が続いていた。気づけば借金は4500万円を超えていた。

☆鳴りやまない督促の電話と、冷たい汗

今日もスマートフォンの画面がけたたましく光を放つ。非通知の番号だ。どうせ借金の催促だろう。マズオはため息をつき、通話ボタンを無視した。部屋の隅には、ウーバーイーツの配達バッグが無造作に転がっている。ついさっきまで背負っていたそれからは、まだ他人の夕食の残り香が微かに漂っていた。

「くそっ…」

マズオはテーブルに残っていた安いウイスキーを呷る。琥珀色の液体が喉を焼く感覚だけが、今の自分が生きている唯一の証のようだった。壁一面を埋め尽くす本棚には、難解な数式が並ぶ専門書がぎっしりと詰まっている。量子力学、超ひも理論、一般相対性理論。どれも人類の叡智の結晶だ。マズオはその全てを理解し、自分の言葉で、分かりやすくメルマガで解説している自負があった。

「僕のコンテンツは世界最高のはずだ…」

誰に言うでもなく呟く。声はアルコールのせいで掠れていた。同級生たちの顔が脳裏をよぎる。医師になった者、会計士として成功した者、世界的な発明家として名を馳せる者。彼らは皆、高級車を乗り回し、美しい妻と可愛い子供に囲まれている。SNSを開けば、タワーマンションからの夜景や、海外旅行のきらびやかな写真が目に飛び込んでくる。圧倒的な差だ。焦りが胸を締め付け、呼吸が浅くなる。

ストレスで酒量が増え、夜も眠れない。今日もまた、マズオは寝不足と泥酔の狭間で意識を手放した。

☆ホルス降臨

ぐにゃり、と視界が歪む。ここは自分の汚いアパートの一室のはずだ。だが、目の前にはどこまでも続く砂漠が広がっていた。ピラミッドが夕日に赤く染まっている。何が起きているのか理解できない。夢だ。そうに違いない。

その時、砂漠の向こうから何かが近づいてくるのが見えた。黄金の輝きを放ちながら、それは猛烈な速さでこちらに向かってくる。それは、屈強な人間の体に、鋭い眼光を放つ隼の頭を持っていた。エジプトの壁画で見たことがある。

「我が名はホルス。天空を統べる神だ」

その声は、脳内に直接響き渡るような、荘厳な響きを持っていた。マズオは腰を抜かし、尻餅をついたまま後ずさった。

「な、なぜ僕の夢に…」

「夢ではない。お前の魂が、現実の重圧に耐えきれず、我の領域に迷い込んだのだ」

ホルスと名乗る神は、マズオを見下ろした。その瞳は、宇宙の真理を全て見通しているかのように深く、そしてどこか憐れんでいるようにも見えた。

「マズオよ、お前の敗因を教えてやろう」

「敗因…？」

「そうだ。お前は9年間、価値のない石ころを磨き続け、それをダイヤモンドだと触れ回っていたに過ぎない。哀れな男よ」

ホルスの言葉は、マズオの心の最も痛い部分を的確に抉った。

「違う！僕のメルマガは…物理学は、宇宙の真理を探求する崇高な学問だ！価値がないはずがない！」

「ふん。真理に価値があるのではない。人が『価値がある』と信じるものに、価値が宿るのだ。お前は何も分かっていない」

ホルスは腕を組む。その仕草一つで、周囲の空気が震えるようだった。

「お前に、本物の『商売』というものを教えてやる。お前が魂を救済するに値する男ならばな。そして、そのための教科書を用意してやった」

ホルスの手が宙を薙ぐと、砂の上に一冊の本が現れた。

『Going Clear: Scientology, Hollywood, and the Prison of Belief』

「サイエントロジー…？カルト宗教じゃないか！」

「そうだ。だからこそ、最高の教科書なのだ。彼らは、お前が9年間かけて3人しか集められなかった『信者』を、何百万人と集め、巨万の富を築いた。その仕組みを、この私、ホルスが直々に解説してやろう。心して聞くがいい」

黄金の神は、絶望の淵にいる貧乏な秀才に、悪魔的とも言える商売の知恵を授け始めた。それは、マズオの人生を根底から覆す、禁断の講義の始まりだった。

第一部：認識の変革編～お前の「常識」を破壊する～

第一章：なぜお前の「完璧な情報」は売れないのか？

☆ホルス、一刀両断！

「さてマズオよ」

ホルスの声が、マズオの混乱した思考に突き刺さる。

「まず、お前の根本的な間違いを正してやらねばならん。お前は『コンテンツの質が良ければ売れる』と思っていたな？」

「そ、それは当然だろう。僕はケンブリッジで最新の知見を学び、それを誰よりも分かりやすく解説している。これ以上の質はないはずだ」

マズオは必死に反論する。それが、彼の9年間の支えだったからだ。

「愚か者め！」

ホルスの叱責が砂漠に響き渡る。

「質が良いから売れるなどという妄想は今すぐ捨てよ。それは、作り手の傲慢でしかない。商売とは、徹頭徹尾、顧客から始まるのだ」

「顧客から…？」

「そうだ。お前の物理学メルマガは、誰が読むのだ？誰がそれを求めている？」

ホルスは鋭い視線でマズオを射抜く。

「それは…知的好奇心旺盛な、教養ある人々だ。彼らは真理の探求に喜びを見出すはずだ」

「ほう。では、その『教養ある人々』は、今、何に悩み、何を欲している？お前はそれを知っているのか？」

マズオは言葉に詰まった。考えたこともなかった。彼はただ、自分が素晴らしいと思う情報を、一方的に発信していただけだった。

「お前は、砂漠の真ん中で毛皮のコートを売ろうとしているようなものだ。どれだけ最高級の毛皮を使っていようと、誰も買わん。なぜなら、誰もそれを必要としていないからだ」

☆マズオの絶望

ホルスの言葉が、じわじわとマズオの心を蝕んでいく。9年間の努力。毎月500万円以上をつぎ込んだ研究費。ウーバーイーツの配達で稼いだ僅かな金も、全ては最高のコンテンツを作るためにあった。その全てが、無駄だったというのか。

「じゃあ、僕の9年間は…」

「無駄ではない。最高の『失敗事例』として、お前の血肉となる。だが、その前に理解せよ。顧客が買うのは『商品』そのものではない。彼らが買うのは、その商品を手に入れることによって得られる『理想の未来』なのだ」

「理想の…未来？」

☆未来を売る商売

「そうだ。例えば、高級腕時計を買う者は、正確な時間を知りたいから買うのではない。その腕時計を身につけることで得られる『成功者としての自分』という未来を買うのだ。ダイエット食品を買う者は、その食品自体が欲しいのではない。それを摂取することで手に入る『スリムで健康的な自分』という未来を買うのだ」

ホルスの説明は、シンプルだがマズオの頭を殴りつけるような衝撃があった。

「では、お前の『教養としての物理学』は、読者にどんな未来を提供するのだ？」

マズオは考え込む。知識欲が満たされる。宇宙の壮大さに感動する。それは確かに提供できる。しかし、それは顧客の「悩み」を解決するだろうか？彼らの人生を劇的に「良くする」だろうか？

「どうだ、答えに窮したな。では、これから教科書とする『サイエントロジー』は、信者にどんな未来を提供したと思う？」

「さあ…精神的な平穏とか…？」

「もっと具体的だ。もっと強烈だ」

ホルスはニヤリと笑う。

「サイエントロジーが提供したのは、『悩みから解放され、超人的な能力を身につけ、選ばれた存在として世界を救う自分』という、極めて魅惑的な未来だ」

マズオは息を呑んだ。物理学が提供する未来と、スピリチュアルが提供する未来。その訴求力の差は、もはや比べるまでもない。

「いいか、マズオ。お前が売るべきだったのは、物理学の『知識』ではない。物理学の知識を得ることで、『人生のあらゆる問題を解決し、知的な優越感に浸り、他者から尊敬される自分になれる』という『物語』だったのだ。だが、そんな物語を紡ぐには、物理学はあまりにも無力だ。だからこそ、我々は『スピリチュアル』という最強の舞台装置を使う」

ホルスの言葉は、マズオが固く信じてきた価値観を、ガラガラと音を立てて崩壊させていった。自分のやってきたことは、商売ではなく、ただの自己満足だったのかもしれない。その事実に、彼は打ちのめされていた。

第二章：人類史上、最も儲けた「物語」の一つを解剖する

☆教科書『Going Clear』登場

打ちひしがれるマズオの足元で、砂の上に置かれた本が静かに存在を主張している。『Going Clear』。その文字が、まるでマズオの曇った頭をクリアにするとでも言うように、不気味に浮かび上がって見えた。

「その本を手に取れ」

ホルスの命令に、マズオは恐る恐る手を伸ばす。表紙はひんやりとしていて、奇妙な重みがあった。

「それは、お前がこれから進む道の地図であり、羅針盤だ。だが勘違いするな。我々はこの本の著者のように、サイエントロジーを批判するために読むのではない。我々は、彼らがどのようにして巨大な『帝国』を築き上げたのか、その構造を徹底的に分析し、骨の髄までしゃぶり尽くすために読むのだ」

その言葉には、神聖さとは程遠い、獰猛な響きがあった。

「サイエントロジーは『宗教』なのか、それとも『ビジネス』なのか。世の愚か者どもは、その二元論でしか物事を語れん。だが、答えはそのどちらでもあり、どちらでもない」

ホルスはゆっくりと歩きながら語り始める。

「彼らは『宗教』という神聖な衣をまとうことで、社会的な信用と、何より『非課税』という絶大な恩恵を手に入れた。アメリカという国において、宗教という看板は、あらゆる批判をかわす最強の盾となる。政府ですら容易に手出しはできん。だが、その内部構造、信者の獲得手法、資金の集め方、組織の拡大戦略は、これまで人類が生み出してきた、どの営利企業よりも巧みで、冷徹で、そして効果的な『ビジネスモデル』そのものだ」

マズオはゴクリと唾を飲んだ。宗教とビジネスのハイブリッド。それは彼の貧弱な想像力を遥かに超える概念だった。

☆教祖 L. ロン・ハバードという「主人公」の作り方

「帝国の中心には、常に一人のカリスマが存在する。サイエントロジーにおけるそれは、L. ロン・ハバードだ」

画像引用元

ホルスが指をさすと、砂漠の空中に一人の男の肖像が浮かび上がった。赤みがかった髪、鋭い眼光、そして自信に満ちた笑みを浮かべた男。それがハバードだった。

「この男の公式な経歴を、お前はどう思う？」

ホルスが問いかけると、マズオの脳内にハバードの経歴が流れ込んできた。冒険家、探検家、作家、第二次世界大戦の英雄。彼は戦闘で重傷を負い、失明し、歩行不能になった。しかし、彼が独自に開発した精神科学『ダイアネティックス』によって、自らの力で奇跡的な回復を遂げた。

「すごい…まさに英雄譚だ」

マズオは素直に感嘆した。

「そうだろう。だがな、マズオよ」

ホルスの声が、冷たく響く。

「その経歴のほとんどは、彼自身が作り上げた、あるいは大幅に誇張した『物語』に過ぎない。事実はどうだ？彼の軍歴に英雄的な記録はない。重傷を負ったという証拠も曖昧だ。彼は、ただの売れないSF作家だった時期が長い」

「嘘だったのか…」

「嘘ではない。『物語』だと言っている。人は『事実』に心を動かされるのではない。『物語』に心を動かされるのだ。ハバードは天才的なストーリーテラーだった。彼は自分自身を、苦難を乗り越え、禁断の真理を発見し、人類を救済するために現れた『英雄』として描き出した。人々は、その壮大な物語の主人公に熱狂し、彼を信じ、彼に続いたのだ」

マズオはハッとした。自分のメルマガのプロフィール欄には何と書いてあっただろうか。「ケンブリッジ大学大学院物理学専攻修了」。たった一行。そこに物語はなかった。読者の心を揺さぶるドラマは、どこにも存在しなかった。

☆信者はなぜ大金を払い、人生を捧げたのか？