第１回　「捨てる服にお金が眠っている」

正直に言います。

子ども服をゴミ袋にまとめて処分していた頃の自分を、いまでは後悔しています。なぜなら、その“袋いっぱいの服”が、そのままお金に変わることを知ったからです。

ベビーやキッズの服は「着られる期間が短い」。半年でピチピチ、1年後にはもうクローゼットの邪魔者。でも、その“短命さ”こそがビジネスチャンスになります。親たちは常に「次のサイズ」を探していて、しかも“まとめて欲しい”という潜在的なニーズがある。これはフリマアプリや近所のリサイクル店をのぞけば、一瞬で理解できます。

「この服、まだ使えるのにもったいない」

「けど、1枚1枚出品するのは面倒だし、買う側もバラバラじゃ困る」

その“面倒くさい”を解消するのが「季節パック」なんです。

たとえば【男の子110｜春夏10点】と題したパックを想像してください。

通園から公園遊びまで全部そろうセット。トップス6点、ボトム2点、アウター1点、小物1点。これだけあれば「今日着せる服に困らない」状態を作れる。親からすれば即戦力であり、しかも一度で解決できるのはありがたい。

僕自身、最初にまとめ売りをしたときの感覚をまだ覚えています。

——10点で3,480円。仕入れはたった1,200円。

たったこれだけで粗利が1,200円を超えた。1日2パック売れれば、月6万円。家計を支える副収入としては、十分に現実的な数字ですよね。

ここで大切なのは「ブランドではなく、清潔感が価値になる」ということ。

子ども服はすぐ汚れる。だからこそ、買う親が本当に求めているのは“新品同様”の完璧さではなく、“安心して着せられる清潔感”なんです。僕は徹底的に毛玉を取り、アイロンをかけ、サイズを計測して添えるようにしました。それだけで購入者からの評価が跳ね上がる。リピートが発生する。

この仕組みは決して難しいことではありません。

「不要な服をまとめる」——たったそれだけ。

けれど、やる人が少ないからこそ、市場に隙間が生まれているのです。

次回は、この“季節パック”をどんな手順で作り、どうやって差別化するかを具体的に掘り下げていきます。

第２回　「“まとめ方”が９割、売れるパックの作り方」

「ただまとめればいいんでしょ？」

そう思って適当に束ねたら、間違いなく売れません。僕が最初に失敗したのは、そこでした。見た目も揃っていない、サイズ感もバラバラ、写真も雑。その結果——売れ残り。

でも、やり方を変えた瞬間、同じ子ども服でも“パックの価値”が跳ね上がったんです。

１．10点固定の“型”を作る

何を入れるかを毎回悩むのはムダです。僕は「トップス6、ボトム2、アウター1、小物1」という型を決めました。買う側からすれば「バランスが取れているセット」になり、出品する側からすれば「迷わず揃えられる」。この型があるだけで、作業スピードも安定感も段違いに上がります。

２．写真で“即戦力”を伝える

ただ並べるのではなく「１コーデごとに平置き写真を撮る」。これが効きます。親が購入するときに欲しいのは「着せたイメージ」。服単体の写真よりも、「組み合わせて完成形」を見せた方が即決率は格段に上がるんです。タグ写真も必ず添えることで信頼性を補強します。

３．タイトルは“検索されやすさ”が命

「【女の子90｜秋冬10点】通園・お出かけフルセット/即戦力」

——これ、ただの商品名じゃなく“検索ワードを並べたSEOタイトル”なんです。

サイズ・性別・季節を入れる。さらに“即戦力”や“フルセット”という言葉を添えることで、「今すぐ必要」と思っている親の目に止まる。僕自身、このタイトル改善で閲覧数が倍以上になりました。

４．汚れは隠さず“正直”に

「ここにシミがあります」と円で囲んで写真を載せる。テキストでも補足する。——これを怠ると必ずトラブルになります。逆に言えば、“正直に見せる”ことで購入者の信頼が増し、リピートにつながる。僕が取引メッセージで何度も「丁寧で安心できました」と言われたのは、この一点を守ったからです。

５．清潔感を演出する小さな工夫

洗濯→毛玉取り→アイロン。地味ですが、この3ステップを徹底すると「中古感」が消えます。人は写真を見て3秒で判断する。だからこそ、光沢や張りのある服はそれだけで売れる確率を跳ね上げるんです。

ここまで実践すれば、パックは「ただの中古服」から「即戦力のワードローブ」に変わります。

正直、ここを意識するかどうかで売上は倍違う。

次回からは、実際の“仕入れ戦略”と“価格設定”について深掘りしていきます。