第1回：なぜ“翻訳”ではなく“ローカライズ”なのか？

「なんで海外に出しても売れないんだろう？」

これは僕が最初に越境ECを立ち上げたとき、頭を抱えながら毎晩つぶやいていた言葉です。

商品は日本で実績がある。品質は確か。価格も競合より安い。それなのに――全然コンバージョンが取れない。アクセスはあるのに、売れない。

原因を探っていくと、突き当たったのは意外な壁でした。言葉です。

いや、正確に言うと「翻訳」そのものが壁でした。

直訳された言葉は、たしかに意味は通じる。でもそこには“温度”がない。現地の人の感覚に刺さらない。SEO的にも引っかからない。

たとえば日本語の「安心・安全」。直訳すれば “Safe and Secure”。

でもアメリカ人が検索するキーワードは「Risk-free」や「FDA approved」であったりする。

意味は似ていても、検索意図も感情のツボもまったく違うんです。

僕はそこで気づきました。

翻訳では売れない。ローカライズこそが売上の壁を突破する唯一の方法だ。

たとえば、あなたがフランスに向けて化粧品を売ろうとしたとします。

AI翻訳でサイトを丸ごとフランス語化した。でも結果は売れない。なぜか？

理由はシンプルです。

直訳では、それらを踏まえた“感情のツボ”を突けない。逆に違和感を覚えさせてしまい、信頼を失うんです。

僕が取り組んでいるのは、単なる翻訳代行ではありません。

AIで一次翻訳を走らせた上で、用語集・トーンガイド・文化適応・検索意図をすべて編集し直す。

いわば 「翻訳＋コピーライティング＋SEO」 を一体化させたプロセスです。

その結果どうなるか？

・現地ユーザーの検索にヒットする

・商品説明が“その国の言葉”として自然に読める

・FAQやCS対応がスムーズになる

これこそが、越境ECやSaaSが本気で海外CVを取りに行くときに必要な武器です。