Twitterで定着している「リプ周り」。

最初は私も、

「なんだか奇妙な習慣があるな」

「みんな同じに見える」

くらいに思っていたのですが、やがて毎日目に飛び込んでくるそれが意味するものは一体、何なのだろう、と考えるようになりました。

しかも、何故か私にも同じような呼びかけをしてくる人さえ現れました。

「へちまさん！○○するのは大切ですよね！」

びっくり。

いきなり知らない人に、ハツラツとした口調で親しげに名前で呼びかけられたら、びっくりしませんか？

しかも、そんな中身の無い会話にいったいどう返事をすればいいのでしょう？

彼らのマナーと私のマナーが、全く違う。別の文化圏が成立している。

そう、感じました。

そして、同じような違和感を持って、彼らを眺めている人も見つけました。

そして、私は最初は彼らに対する意見として、下記のようなツイートをしていました。

しかし、問題はもっと根が深かったのです。

観察するうちにやがて見えて来たのは、それが自然発生的に起こった現象というよりも、指導され、教育されてそのような「作法」が行き渡っているという、事実でした。

私は、彼らに「リプ周ラー」と「プロリプ周ラレヤー」という名前をつけました。

もちろん、後者は「プロ奢ラレヤー」のパロディです。

そしてさらに観察していると、その構造が見えて来ました。

それはかつての封建社会的な支配に非常に似ていたのです。

領主→農奴

or

資本家→労働者

こうした階級制度の模倣として私は捉えはじめていました。

そしてこんなツイートをするようになりました。

そして、さらに実情を眺めるうちに、教祖→信者といった、

信仰の形にも非常に似ていると思えました。

勿論、信仰は、人間の長い歴史の中で、民衆を従わせる為の権威として使われてきた道具である、という事実があります。

何故ローマがキリスト教を国教としたのか。

それは、信仰の仕組みを支配の仕組みとして利用する為です。

そして、今あるインフルエンサーの支配の仕組みもまた、そうした支配構造を模倣しているのです。

従順な「羊」たちは、同じ顔に見えます。

「彼ら」は個性を奪ってくるのです。

或いは、そもそもの個性が希薄であるからこそ、個性なしでも戦えそうな方法を求め、そうした「権威」に組み込まれる事で得られる「おこぼれ」にすがる。

餌付けされ、粗末な餌に感謝まで抱く。

そこに活路を見出そうとしたのかも知れませんが。

その両方の相互作用でしょう。

それを言うと、少し酷な気もしますが。

しかし、個性や独自性、アイデアを磨いていくのが本来の有り方だ。

そう、私には思えるのです。

しかし、結局は「インフルエンサーを利用してやろう」というさもしい気持ちが、逆に「インフルエンサーに利用され、搾取される」という図になってしまっています。

そうですよね。

リプで認知なんてされません。インフルエンサーのツイート自体を広く認知させるために、皆でリプをさせられているだけなんですから。

或いはまた、そうした方法で、それでも努力の末、のし上がってある程度の地位を築く事が出来た場合も、その構造を必ず自身が再現して行く事になります。

つまり、リプ周りする側からされる側への転換です。

これもまた、決して自由になったのではなく、リプ周りという構造に囚われていること自体は、実は全く変わらないのです。

誰でもない、構造自体にそれを「させられている」のですから。

「個」を放棄したまま、ただ顔の見分けられない羊が、顔の見分けられない羊飼いになっただけなのです。

だから、プロリプ周ラレヤーも被害者と言ってもいいのかも知れません。

そしてさらに、この「構造」自体を大量に再生産し、ゾンビのように増殖して行くことになるのです。

それは、どんなに出世しても、サラリーマンは所詮、最後までサラリーマンでしかないことにも似ています。

サラリーマン→フリーランスといった質的転換とは全く異なるのです。

これはとても大事なのですが、そもそも、インフルエンサーの教えている収益化方法って、習得の順序が逆なんですよ。

ツイッター運用の仕方とか、ファン化や差別化、見込み客教育の方法。

これはみんな、商品を売る手段なんです。

目指すは製造販売業の筈。

製造販売という川の、上流と下流、その下流だけ用意しても、何も流れてはこないんです。

「桃のない桃太郎」に登場する、おじいさんとおばあさん。

そんな状態になってしまいます。

まず「中身」がないと、つまり「売るもの」がないと、売ることはできませんよね。

そして、「売るもの」を売ることへ向けて、店やコマーシャルを用意し、顧客へ提供していきます。

順番を敢えて逆にして教えることで、同じ場所に立ち止まらせる。

そうした効果を見込んでのことではないのか。

そう考えることも出来ます。

さて。無料部分だけでお腹がいっぱいになりましたか？

では本編では、笑いながら恐ろしくなるような実態をレポートしていきましょう。