子育ても終わり、家族の予定に合わせて動く毎日から少し離れた今。
朝起きて、好きな音楽を流し、気の向くままに出かける。
そんな“自分のための時間”を楽しめるようになって、
ようやく「私」として生きている実感が生まれてきました。

「おかあさん」と呼ばれた日、やさしい揺らぎ

買い物に行くのに、娘が車で迎えに来てくれました。
外に出ていた私を見つけて、
「おかあさん」と声をかけてくれたんです。

その一言に、胸の奥がふっと温かくなりました。
あぁ、そうだった。
私は長い間、“お母さん”だったんだなぁと。

子育ても終わり、孫も成長して、
今は“お母さん”でも“ばあば”でもない時間を生きている。
けれど、その声の響きが、
あの頃のにぎやかな日々をやさしく思い出させてくれました。

長年まとってきた“役割の服”を脱いでみて

「○○さんの奥さん」「○○ちゃんのお母さん」「長男の嫁」
気づけば、いつも何かの“肩書き”をまとって生きてきました。

もちろん、それは全部大切な役割。
でも、どこかで「私はどこにいるんだろう？」と
感じていたのも本音です。

今の私は、その“役割の服”を少しずつ脱いで、
「個」としての自分を取り戻す途中にいます。
人のためではなく、自分の気持ちで選ぶこと。
それが、こんなにも心地いいなんて思いませんでした。

最近は、朝の散歩も、カフェで過ごす時間も、
誰かに合わせる必要がない。
自分のペースで、ゆるやかに過ごせる日々がうれしい。

“自由”って、派手なことじゃなくて、
「自分で選べる」ということなんですね。

忙しい日々の中では見えなかった景色や、
小さな幸せに気づけるようになりました。
それは、役割を終えたからこそ味わえるごほうびのようです。

娘の「おかあさん」という声は、
過去の私と今の私をやさしくつないでくれた気がします。

“お母さんだった私”も、“いまを生きる私”も、
どちらも本物の私。
どちらも大切で、ちゃんと愛しい存在です。

これからは、
「誰かのため」から「私のため」へと少しずつ舵を切りながら、
新しい季節を楽しんでいきたいと思います。

役割を脱ぐことは“自分を失う”ことではなく、
“本来の自分に戻ること”。

今までの経験や思いやりが、
「私」という土台を育ててくれていたんだと感じます。
だからこそ、これからは「私のペース」で生きていけばいい。

ここまで読んでくださってありがとうございます。
このあと、有料部分では「役割を脱ぐ」ことを、自分のリスタートとして受け入れるための3つのワークをご紹介します。
読み終わるころには、きっと心が少し軽くなって、「私ってこんな人生を歩んできたんだ」と温かい気持ちになれると思います。