転売の稼ぎ方を要約すると「世の中の需要に対して、供給の追い付いていない物を大量に買い占めて、そこに利益を足して販売することで収益を得る方法」となるのだが、世の中には転売の稼ぎ方から少し視点をズラした所に、仕入れた商品に「付加価値」を付けて販売をするといった方法もある。その方法としては、海外の通販サイトにしか売っていない物を仕入れて、付加価値を付けて販売をするミニマルな輸入販売とか、衣服やガジェット等の中古品を仕入れて修繕して販売をするとか、付加価値のつけ方は様々にあるのだが、今回は、所謂「ブルセラ」と呼ばれる販売方法の持つ付加価値の生み出し方の視点と、そこに「ネットで情報収集をする能力」を組み合わせることで付加価値を生み出す、新たな視点の販売方法というのを紹介したいと思う。

勿論、転売に見られるような、定価5万の「ＰＳ５」が、倍の10万以上の価格設定で大量に売買がされていたように、仕入れた商品に対して設定ができる利益となる価格の際限の無さや、購入希望者も大量にいる転売と比べると、この付加価値を付けて販売をする方法というのは、利益分の価格設定の限度や、購入希望者の数というのも大きく目劣りする。

しかし、この方法では、転売とは異なるメリットが大きく分けて３つある。１つは、amazonやメーカーの通販サイト、デパート等で普通に手に入る物を販売できるため、そもそもの仕入れのための熾烈な競争に参加する必要が無い点。２つ目は、世の中への供給が追い付くにつれて次第に製品の価値が下がっていく転売とは異なり、その製品が廃盤となるまでほぼ永続的に販売が出来る点。そして最後の３つ目は、注文を受けてから仕入れる形で運用が出来るため、手元の種銭が少ない場合も、ほぼキャッシュフロー率を100％の状態に保って販売が出来る点である。

今回はこの方法を、順を追って解説して行きたいと思う。

■販売方法の概要：

この方法では、まずメインのターゲットを「有名人のファン」、その中でも特に「女性アイドルのファン」というのをターゲットに置く。そこから更に細分化すると、「アイドル関連のグッズであれば何でも買う」といったような熱狂的なファンや、「アイドルと同じ物を身に纏いたい」というアイドルとの同一化を羨望する女性、そして「アイドルの着用した服を用いて自慰行為を行いたい」と考えるようなフェチズムの強いファンに設定する。

そして、アイドルが番組や写真集等で着用・使用していたものと同じ製品を、検索やエゴサーチ等で見つけ出し、「〇〇が写真集『△△』で着用していたモデルの□□」的な謳い文句を付けて、メルカリ等のフリマアプリやamazonで販売をするという方法である。

■付加価値を付けるための販売の際の工夫：

この方法では、転売のような限定品や需要に対して供給が追い付いていない商品を仕入れることで利益を出す方法とは全く異なり、普通に売っている物を高く売るためにいくつかの工夫が必要となる。その方法として、「水着」を例にして説明をしたい。

まずこの方法では、出品を行う水着のブランドや仕入れ元の販売サイトが分かるような情報を、出品時に全て意図的に“隠して”販売を行う必要がある。出品時の写真にブランドのラベル等が映っている場合は、画像加工でボヤかす等して隠し、またGoogle等の画像検索で引っかからないレベルまで、「Sample」等の自然な文字入れやエフェクト加工等を行うことで、購入希望者に商品情報が分からないようにすることが出来る。画像からその商品の情報源を調べる「画像検索サイト・アプリ」は様々あるが、Google検索に入れて引っ掛からないレベルであれば問題なく、前述したような加工を行うことで、簡単に引っ掛からないレベルとなる。

もちろん、メルカリ等の質問で、「どこのブランドですか？」と聞かれることもあるが、そういった質問は、心を鬼にして削除で問題ない。また、様々なフリマサイトの中でも最大手のメルカリへの出品の場合は、現物の写真が無いと「空売り」と認定されて運営に削除をされてしまうので、一度現物を仕入れて何枚か実物写真をストックしておくことをお勧めしたい。

■販売する商品の見つけ方：

肝心の商品として販売を行う、アイドルが写真集や雑誌のグラビアで着用をしていたモデルの水着の調べ方についてだが、これには大きく分けて２通りの方法がある。

まず１つ目は、無難に検索で探すことや、またツイッターやインスタ等のＳＮＳの検索窓に「（アイドルの名前・愛称）　水着」,「（アイドルの名前・愛称）　（雑誌名・写真集名）　水着」等を入れて、エゴサーチでしらみつぶしに調べる方法である。この方法では、調査に時間は掛かるが、特にツイッターでのエゴサーチでは、誰かしらその商品に詳しい有識者や特定班の情報がヒットするため、根気よく調べれば以外と簡単に見つかる場合が大半である。

そして二つ目は、写真集の巻末のページや、雑誌の備考欄には、ほとんどの場合、協力会社一覧のようなクレジットが記載されているため、そこに記載のあるメーカーのサイトを調べると、比較的容易に見つかる。また、発売して間もない写真集であれば、そういったグラビアに使用をする製品というのは、多くの場合、最新モデルや売れ筋の商品が多いこともあり、該当のサイトを見ればＴＯＰページでお薦めをされている等、発見も容易かつ在庫状況も良好な場合も多い。また、水着のメーカーが写真集や雑誌の告知等を投稿していたり、ＲＴしたりしている場合は、間違いなくそのメーカーの製品であることが分かる。

更に、大手のアイドルグループなど、同グループ・事務所に所属をしているアイドルであれば、グループや事務所単位で特定のメーカーとタッグを組んで、そのメーカーの製品を共通して使用をしている場合なども多いため、何人かの製品の特定が完了すれば、その後は特定のメーカーの通販サイトから調査を始めるといったことも手段として可能となる。

また、在庫については、通販サイトになければフリマサイトに出品されているものを空売りする方法でも良いと考えている。水着等の製品であれば、物が物だけに新品でも中古でも特に売れ行きは変わらない印象がある。（※むしろ、中古の方がより一層ブルセラ的な価値が上がり、新品よりも割高で出品をしても売れる傾向があった。）

アイドルの着用モデルの製品探しについて、かなり調査が難航する製品も中にはあるが、実質的に、この販売方法の本質は「調査で発見した情報」を付加価値として販売していることとなるため、難航すればするほど、長期的に売れて付加価値も高い商品になると考えるべきである。

また、商品の価格設定については、前述をしたような「女性物の水着」のように、女性と男性とでユーザーがキッパリと別れているアイテムであれば、この販売方法のメインターゲットとなる男性層は、水着の相場価格というを通常感覚的に持ち合わせていないため、利益を2,000~4,000円ぐらい乗せても安定的に売れる。

■特に私が注力をしていた「狙い目」のアイテム：

衣服や香水、バッグ、置物等、一通り調べて出品をした中で、特に沢山売れて、注力商品と設定していたアイテムは、