働き方のデジタル化、進めたいけど「勤怠管理」だけ手付かずなあなたへ。

DX、クラウド、業務効率化――

そんな言葉が社内で飛び交うようになって数年。

会議はZoomになった、資料はGoogleドライブに上がるようになった、チャットはSlackでやりとり。

それでも、なぜか「出勤管理」だけは、いまだに紙のタイムカード、エクセル入力、口頭報告。

「もう紙の打刻機、限界だよね…」

「リモート勤務なのに、どうやって勤怠つけたらいいの？」

「有給申請がいまだに手書きって、さすがに面倒くさすぎる」

現場のそんなモヤモヤを、スッと解決してくれるのが――**AppSheet（アップシート）**です。

AppSheetって何？ノーコードって何ができるの？

AppSheetは、Googleが提供する“ノーコードアプリ開発プラットフォーム”。

ノーコードとはつまり、プログラミングなしでアプリを作れるツールのこと。

「え、それって本当に業務で使えるレベルなの？」

「趣味アプリ程度じゃないの？」

そう思ったあなたにこそ伝えたい。

実はAppSheetは、現場が抱える“ちょっとした面倒”をすべてスマホで解決できる、極めて実用的な業務ツールなんです。

たとえば…

出勤・退勤をスマホでボタン打刻
勤務時間を自動集計
有給申請をフォームで完結
管理者はそのままアプリ内で承認
毎週、未打刻者へ自動通知
月末にはCSVレポートも自動送信
しかもすべてGoogleスプレッドシート連携でデータは手元に

もう、勤怠管理ソフトを買う必要も、高額なクラウドサービスに乗り換える必要もありません。

Googleスプレッドシートが使えれば、AppSheetで社内用勤怠アプリを自作できる時代が来たのです。

この記事でわかること

このガイドでは、完全初心者の方でもわかるように、

AppSheetで勤怠管理アプリを構築する手順
出勤・退勤ボタンの作り方
勤務時間の自動集計ロジック
有給申請と承認のワークフロー
スマホ対応、アクセス制御、GPS・画像付き打刻などの応用機能
テスト、公開、運用までのすべての流れ

を、わかりやすく・実践的に解説していきます。

しかも、開発費0円／月額0円からでも始められる構成でご紹介。

「システム会社に依頼するにはコストが…」

「でも、さすがに紙の運用はもう限界…」

そう思っている中小企業の管理部門、スタートアップ、学校、NPO、フリーランスの方々にこそ、試していただきたい内容です。

AppSheetで勤怠管理、すべて解決できます

誰でも使える（スマホ・PC対応）
どこでも使える（クラウド連携）
管理もラク（自動通知・自動集計）
メンテも簡単（スプレッドシート編集だけ）

これからの時代、「業務アプリを自分で作れる力」こそが、最強の業務効率化スキルになるかもしれません。

このガイドを読みながら、あなた自身の勤怠アプリを組み立ててみてください。

きっと、「これが無料でできるなんて…」と驚くはずです。

さあ、次の章から、AppSheetの世界に一緒に飛び込んでみましょう。

出勤も退勤も、申請も承認も、スマホ1台で完結する時代が、もうすぐあなたの職場にもやってきます。

✅ 1. AppSheetとは？

──「え？アプリって、Excelだけで作れるの？」から始まる、ノーコードの衝撃体験。

あなたは“Excel”の上でアプリを動かせることを知っていましたか？

たとえば、毎朝のように誰かがやっている「出勤時間を書き込むタイムカード表」。

あるいは、毎月送られてくる「有給申請」の紙。

休暇の承認、遅刻の連絡、勤務実績の集計…すべてが手作業で、メールや電話、紙のやり取りが今も続いている職場は多いはずです。

でも、そのアナログな作業。

実はたった1つのスプレッドシートと「AppSheet（アップシート）」があれば、全部スマホアプリ化できてしまうんです。

コードは？不要。

外注？不要。

サーバー管理？不要。

あなたの手元にあるExcelやGoogleスプレッドシートをベースに、自分で、社内向けの業務アプリが作れる。

それがAppSheetの持つ革命的な魅力です。

AppSheetとは？

AppSheet（アップシート）は、Googleが提供している「ノーコードアプリ開発プラットフォーム」です。

ノーコード、つまりコードを書かずにアプリを作るためのツール。

一見すると魔法のような話ですが、これが本当にできてしまいます。

たとえばあなたが今、Googleスプレッドシートにこんな表を持っていたとしましょう：

日付
出勤時間
退勤時間
備考

これだけの項目がある表を、AppSheetに読み込ませるだけで、スマホで打刻・確認・申請・集計ができるアプリが出来上がります。

しかも画面は見やすく、スマホ操作にも最適化され、ボタン1つで処理完了。

しかもしかも、Googleアカウントでのログイン制御付き。

まさに「業務効率化のチート技術」とも言える存在です。

なぜAppSheetが今、注目されているのか？

コロナ禍以降、企業は**“紙とExcelだけの業務”から脱却しなければならない状況**に追い込まれました。

テレワーク対応
社内連絡のオンライン化
承認フローの電子化
勤怠・申請・報告の可視化

こうした「小さな社内DX（デジタルトランスフォーメーション）」のニーズが激増した中で、「誰でも作れる・無料から始められる・Googleと相性抜群」という三拍子を揃えたAppSheetは、爆発的に支持を集め始めたのです。

特に、中小企業やスタートアップ、学校・医療・自治体など、**“専門のエンジニアがいない現場”**では、このノーコードの力が救世主になります。

AppSheetで“できること”の一例

ここで少し、AppSheetでできることの具体例を紹介します。

勤怠管理アプリ
　出勤・退勤をスマホでポチッ。申請も管理者承認も一元管理。
在庫管理システム
　入庫・出庫をバーコードで読み取り、数量をリアルタイムで可視化。
社内申請ワークフロー
　備品申請、有給申請、交通費精算など、紙ベースの申請を全部アプリ化。
顧客管理（CRM）
　顧客情報や対応履歴をフィールドスタッフが外出先で記録可能。
点検・報告・日報アプリ
　現場の写真、位置情報、作業内容をその場で報告書化。

これらはすべて、1行もコードを書かずに実現できます。

しかも、すべてがスプレッドシートと連動していて、管理も更新も超シンプル。

AppSheetの仕組み：スプレッドシートが“データベース”になる

AppSheetの仕組みをざっくり説明すると、以下のような流れです。

GoogleスプレッドシートやExcelを作る（これがデータベースになる）
AppSheetでそのスプレッドシートを読み込む
AppSheetが自動でフォーム、一覧画面、編集画面を生成
必要に応じてレイアウトやロジックをノーコードでカスタマイズ
スマホアプリとして即利用可能

この「自動生成機能」がとにかくすごい。

最初のアプリが、数分で見た目も整った形で完成するので、「やった感」「できた感」がすぐに得られます。

つまり、最初のハードルが極めて低いのに、やり込むとどんどん深くなる。それがAppSheetの面白さです。

「Excel職人」が最強の開発者になる世界

たとえばあなたが、普段からExcelやGoogleスプレッドシートで表を組んでいるなら。

実はあなた、AppSheetと最も相性の良い“アプリ開発者”です。

スプレッドシートでデータを管理している
IF文やVLOOKUPが使える
シートの構成を整理できる

このスキル、AppSheetでは“武器”になります。

つまり、**「現場の困りごとを、自分でアプリにする力」**が、コードを書かなくても手に入るのです。

AppSheetの料金は？無料で始められる？

はい、無料プランでも本番運用可能です。

最大10人までのユーザー
Google Workspaceのアカウント連携
1日数百件程度のアクセスなら問題なし

もちろん、有料プラン（月5ドル〜）を使えば、承認ワークフローや通知Bot、拡張機能も解放されますが、

まずは無料プランで**「勤怠管理アプリ」から試してみる**のが最適です。

AppSheetは“現場を知る人”が最強になれる世界

システム会社に丸投げして、高額な勤怠管理ツールを導入する時代はもう終わりかもしれません。

AppSheetなら、現場の声をそのままアプリに落とし込める“内製化”の力が身につきます。

上司の「承認がほしい」に3分で通知設定
従業員の「スマホで出退勤したい」に1時間で応える
管理者の「CSVが欲しい」にそのままスプレッドシートを渡せる

この柔軟さが、AppSheet最大の魅力です。

次章からは、実際に「勤怠管理アプリ」をAppSheetで構築する具体的ステップをお伝えしていきます。

ここから先は、あなたの手で“業務を変えるアプリ”をつくる時間です。さあ、はじめてみましょう。

✅ 2. 勤怠管理アプリに必要な基本データ

──たった3枚のシートが、あなたの組織の「時間の見える化」を変える。

AppSheetで勤怠管理アプリを作るとき、

「いったい何から始めたらいいの？」という疑問にぶつかる人が多いはずです。

答えはシンプル。

まずは“3枚のスプレッドシート”を用意すること。

これだけです。たった3枚のシートがあれば、出勤・退勤・休暇申請・承認・集計まで、ひと通りの勤怠管理業務がスマホで回せるアプリが作れるのです。

では、どんなデータをどんな風に設計すればよいのか？

ここから1枚ずつ、イメージを交えながら丁寧に解説していきましょう。

✅ シート①：Users（ユーザー・従業員データ）

このシートは、勤怠管理アプリの“住民票”のようなものです。

誰が誰で、どんなIDを持っていて、どんなメールアドレスでログインするのか。

この情報を最初にきちんと整備しておくことで、「誰の勤怠データか？」がAppSheet上で正しくリンクされます。

入れるべき情報：

ユーザーID（例：001, 002 など一意の識別子）
氏名（表示用）
メールアドレス（ログイン認証に使用）

これらがあれば、ユーザーがスマホでログインしたときに、「あなたの情報だけを表示」するフィルター設定が可能になります。

たとえば、AさんがログインしたときはAさんの出勤履歴だけが見えて、

管理者がログインしたときは全員の勤怠データが見える、

といった**“ロール制御”のベースになるデータ**がこのUsersシートです。

✅ シート②：Attendance（勤怠記録データ）

このシートこそが、勤怠アプリの心臓部です。

従業員が「出勤ボタン」を押した瞬間、AppSheetがこのAttendanceシートにレコードを追加し、clock_inの列に時刻を自動記録します。

退勤ボタンを押したときは、同じレコードのclock_out列に時刻が入力されます。

入れるべき情報：

レコードID（ユニークな識別子。AppSheetが自動生成でもOK）
ユーザーID（Usersシートと紐づけるため）
日付（勤務日）
出勤時間（clock_in）
退勤時間（clock_out）
備考（例：「外出あり」「遅延電車」などメモ）

ここで重要なのは、「1人1日1レコード」という構造を守ること。

これができていれば、集計も分析もスムーズに行えます。

また、AppSheetの仮想列を使って、clock_out - clock_inの差を計算し、**勤務時間（hours_worked）**を表示することも簡単にできます。

この1シートだけでも、日別・月別・人別のレポートが自在に作れます。

しかもデータはすべてリアルタイムでスプレッドシートに記録されているため、集計ミスゼロ、転記作業ゼロ。

これだけで、毎月の「タイムカード集計地獄」が終わります。

✅ シート③：Requests（申請データ）

人間、ずっと出勤できるわけではありません。

休暇を取る日もあれば、体調不良での遅刻、どうしても外出が必要なときもあります。

そんなときのために必要なのが、このRequestsシート。

従業員が「休暇申請」や「遅刻申請」をスマホで送ると、ここにデータが1行追加されます。

管理者がそれを見て、「承認」や「却下」を選択することで、シンプルなワークフローが完成します。

入れるべき情報：

リクエストID（自動生成可）
ユーザーID（誰の申請か）
申請種別（例：有給・遅刻・早退・外出など）
日付（申請対象日）
承認ステータス（未承認／承認済み／却下など）

このシートがあることで、紙の申請書が不要になります。

さらに通知Botを連携すれば、申請が来たときに管理者へメール or LINE通知も可能。

“上長承認が遅れて困る”問題も、テクノロジーで解決できるのです。

✅ なぜ「3シート構成」がベストなのか？