第1章：収入の額じゃ決まらない！「増える人」と「減る人」の思考の違い

「毎月、一生懸命働いているのに、なかなかお金が貯まらない……」

もしあなたがそんな悩みを抱えているなら、それは決して頑張り不足が原因ではありません。

実は、同じくらいの年収でも、数年後に大きな貯蓄額の差が生まれる人たちがいます。

その理由は、お金に対する考え方の違いにあるのです。

ここでは、「収入が多い・少ない」よりも重要な、根本的な思考パターンの違いを見ていきましょう。

1.1 なぜ同じ年収でも大きな差がつくのか？

ちょっと想像してみてください。

Aさん（年収400万円）

生活費はその月の気分でやりくり。

セールや期間限定に弱く、つい浪費しがち。

「まあ、なんとかなるでしょ」が口癖。

Bさん（年収400万円）

将来の目標を決めて、毎月の貯蓄・投資を自動で積み立て。

支出は目的別に管理し、無駄遣いを徹底カット。

買い物するときは「これは未来の自分に本当に価値がある？」と考える。

1年後、5年後、10年後……この2人の差は想像以上に開いていくでしょう。

では、なぜそんなに違いが生まれるのでしょうか？

それは、お金を使うときの思考の深さに違いがあるからです。

1.2 「未来から逆算する」人の思考

お金を増やしている人は、常に**「どんな未来を手に入れたいか」**を強く意識しています。

例えば「5年後にマイホームを買いたい」「10年後までに独立資金を貯めたい」といった具体的な目標があるからこそ、今やるべきことをハッキリさせています。

目標があるから行動につながる

5年後に500万円が必要なら「毎月いくら貯めるか」「どんな投資をするか」を逆算して決めている、という具合です。

お金は“将来の夢を実現する道具”

無計画に使うのではなく、「未来にとって本当に必要か？」を基準に考えます。

成功事例：

28歳でプログラマーの田中さんは、35歳までに独立するために約1,000万円を貯める目標を設定。

7年で達成するには月に12万円貯める必要があると計算しました。

すると、給料日のたびに12万円を別口座に自動的に振り込むよう設定し、残りのお金で生活する**“先取り”スタイル**に変更。

副業にも挑戦し、目標より1年早いペースで1,000万円を貯め、そのまま独立に成功しました。

1.3 「目の前にとらわれる」人の思考

逆に、お金がなかなか貯まらない人は**「目の前の出来事」に強く振り回される**傾向があります。

いつも“今”だけが基準

「給料が入ったから、ついアレを買おう」「今はセールだからお得！」と、目先の欲求を優先してしまいがち。

漠然とした夢で終わる

「いつか起業したい」「いつか旅行したい」と思っていても、期限や具体的な金額を決めていないので行動につながりません。

失敗事例：

同じく28歳の佐藤さんは「いつか起業したい」というぼんやりした夢はあるものの、貯金や投資の計画はゼロ。

給料をなんとなく使ってしまい、気づけば銀行口座にはほとんど残りがない状態。

セールや期間限定キャンペーンに弱く、不要な買い物も多くなりがち。

結果、7年経っても貯金は50万円ほどで、起業の目標は遠のくばかりでした。

1.4 思考の違いが行動を変え、未来を変える

お金を増やせる人と増やせない人の最大の差は、「目の前」だけでなく「未来」にも軸足を置いた行動をしているかどうかです。

“これは浪費？消費？投資？” という視点を持つ

「これはただの浪費か？それとも将来自分の役に立つ投資か？」と自問することで、自然と出費をコントロールできるようになります。

毎日の支出に「未来目線」をプラス

大きい買い物だけでなく、普段のランチやコンビニ買い物などでも「将来、このお金がどんな価値になる？」と考える習慣をつけましょう。

今日からの実践ポイント

毎回の支出のたびに**「5年後、10年後の自分にとって、この出費はどんな価値を生むかな？」と考えてみてください。

最初は面倒に感じるかもしれませんが、この“小さな思考の変化”が、数年先の大きな資産形成**につながっていきます。