まず前提に共感とは何でしょう？

「共感」とは相手の気持ちや考えを理解し、寄り添うことを指します。私たちは日々の生活の中で、友人の悩みに耳を傾けたり、映画を観て登場人物の気持ちに共鳴したりする。こうした経験を通じて、共感が人と人とを深くつなぐ力を持つことを実感するのではないだろうかと私は思います。

しかし、共感とは単に「相手の気持ちを知ること」ではありません。時には、相手の立場になりきれないこともあるし、共感しすぎて自分自身が疲れてしまうこともある。私は気を遣いすぎる傾向もあり疲弊しました（笑）

それでも私たちが共感を求め、共感によって癒やされるのはなぜなのだろうか？本稿では、共感の本質や重要性、そして共感の持つ課題について考えてみたいと思います。

共感の仕組み――「わかる」と「感じる」

共感には、大きく分けて「認知的共感」と「情動的共感」の二つの側面があります。