こんにちは！ごろーです。

本記事をご覧いただきありがとうございます！

これまでの記事で、YouTube音声の高精度な文字起こしや、文字起こしデータの整理と活用方法について解説してきました。

🔗 驚くほど簡単！WhisperとColabでYouTube音声のダウンロードと文字起こし！

🔗 Whisperで音声ファイルを文字起こし＆CSVでデータ整理する方法【Colab活用】

前回までの記事をお読みいただいた方は、Google ColabやPythonの操作にも慣れてきたのではないでしょうか？😊

さて、今回のテーマはさらに一歩進んで、文字起こししたデータをYouTubeで活用する方法についてです！

具体的には、以下の内容をわかりやすく解説します。

✅ YouTubeで使える字幕ファイル（SRT/VTT形式）の作成方法

✅ Whisperの文字起こし結果を多言語に自動翻訳する方法

✅ 翻訳した字幕をYouTubeにアップロードして活用するコツ

「動画コンテンツの字幕を効率的に作成したい！」

「多言語対応で視聴者を増やしたい！」

そんな方には必見の内容です！✨

⚠️ 前回までの記事の続きとして

前回の記事が 「第5章」 まで進んでいるため、本記事は 「第6章」 からスタートします。

目次の章番号が続いている点だけ、ご了承ください！ 😊

また、前回では文字起こしファイルをCSVへ書き出していますので、それを活用して字幕ファイルを作成していきたいと思います。

それでは、さっそく始めていきましょう！ 🚀

目次

６.文字起こしデータをYouTube用字幕ファイルに変換する

6-1. 字幕ファイル（SRT/VTT形式）の仕組み
6-2. Whisperの出力からSRTファイルを生成するコード
6-3. YouTubeに字幕ファイルをアップロードする

7.多言語翻訳機能の追加

7-1. Whisperの言語設定と翻訳の基本
7-2. 実践！字幕を翻訳！（サンプルコード）
7-3. 翻訳済みデータのSRTファイルとして保存する方法

8.多言語対応！最終版コード

ここまでのおさらい

🚀 Google Colabの準備

まずは、Google Colabを使って作業を進めるための準備を行いましょう！

以下のリンクからGoogle Colabにアクセスして、すぐにコードを実行できます。

🔗 Google Colabを開く

Google Colabの基本設定

1️⃣ 新しいノートブックを作成する

「+ 新しいノートブック」をクリックします。

2️⃣ ハードウェアアクセラレータをGPUに変更する（推奨）

メニューの「ランタイム」 → 「ランタイムのタイプを変更」
「ハードウェアアクセラレータ」で GPU を選択 → 「保存」

🛠️ 必要なモジュールのインストール

Colabを開いたら、最初に以下のコードを実行して、必要なライブラリをインストールしてください。

!pip install git+https://github.com/openai/whisper.git
!pip install yt-dlp
!apt-get install -y ffmpeg

（※Colabはセッションが切れるとライブラリがリセットされるため、再接続時も実行が必要です。）

インストールが完了したら、実践に進みましょう！🚀

6-1. 字幕ファイル（SRT/VTT形式）の仕組み

動画に字幕を付けるには、SRT（SubRip Subtitle） や VTT（WebVTT） という形式の字幕ファイルを使用します。どちらもテキストファイルとして簡単に作成でき、YouTubeや動画編集ソフトで広く使われています。

🎯 SRTファイルとは？

最も一般的な字幕形式で、拡張子は .srt
構成: 番号、表示時間、字幕テキスト

SRTの基本構造

1
00:00:01,000 --> 00:00:04,000
こんにちは、これは字幕の例です。

2
00:00:05,000 --> 00:00:08,000
このテキストは3秒間表示されます。

表示時間: 00:00:01,000 は「1秒」を意味し、--> で表示範囲を示します。
字幕テキスト: 実際に表示される内容。

🌍 VTTファイルとは？

主にウェブ向けの形式で、拡張子は .vtt
HTML5と相性が良く、YouTubeやVimeoで利用可能

VTTの基本構造

WEBVTT

1
00:00:01.000 --> 00:00:04.000
こんにちは、これはVTTの例です。

2
00:00:05.000 --> 00:00:08.000
SRTと似ていますが、少し違いもあります。

このように、ウェブサイトやカスタムプレイヤーで表示する場合、VTTはより柔軟にデザインできます。

ここはあまり気にせず、違いだけ理解できればいいです。

✅ SRTとVTTの使い分け

YouTubeに字幕を付けたい場合 → SRT形式がおすすめ！
ウェブサイトで動画再生する場合 → VTT形式が便利！

🚀 次のステップへ！

SRTとVTTの基本的な仕組みを理解したところで、次は実際に Whisperの文字起こし結果からSRTファイルを生成するコード を紹介します！

6-2. Whisperの出力からSRTファイルを生成するコード

Whisperで文字起こしした結果を使って、YouTubeなどで利用可能なSRT形式の字幕ファイルを作成する方法について解説します。

🎯 基本の考え方

Whisperの文字起こし結果には、各セグメントごとに次の情報が含まれています。

start: 字幕の表示開始時刻（秒単位）
end: 字幕の表示終了時刻（秒単位）
text: 実際の文字起こしテキスト

この情報をもとに、SRT形式に変換していきます。

📝 Whisperの出力例

Whisperの文字起こし結果は次のような形式で取得できます。

[
  {"start": 0.0, "end": 2.5, "text": "こんにちは、これはテストです。"},
  {"start": 3.0, "end": 5.0, "text": "字幕ファイルを作成しています。"}
]

このデータをSRT形式に変換すると次のようになります。

1
00:00:00,000 --> 00:00:02,500
こんにちは、これはテストです。

2
00:00:03,000 --> 00:00:05,000
字幕ファイルを作成しています。

🚀 SRTファイル生成コード（サンプル）

以下にサンプルコードを用意しましたので、そのまま貼り付けて実行してみてください。

また、前回まででcsvファイルで保存されてる方はそちらを利用するコードも載せておきますので、実行してみてください。

import whisper
import yt_dlp
import os

# YouTubeからサンプル音声をダウンロードする関数
def download_sample_audio():
    sample_url = "https://www.youtube.com/watch?v=2Vv-BfVoq4g"  # 短いサンプル動画のURL
    output_filename = "sample_audio.mp4"
    
    ydl_opts = {
        'format': 'bestaudio/best',
        'outtmpl': output_filename,
        'quiet': True
    }

    with yt_dlp.YoutubeDL(ydl_opts) as ydl:
        ydl.download([sample_url])

    print(f"✅ サンプル音声ファイル '{output_filename}' をダウンロードしました！")
    return output_filename

# SRT形式で保存する関数
def save_as_srt(transcription, output_file="output.srt"):
    def format_timestamp(seconds):
        hours = int(seconds // 3600)
        minutes = int((seconds % 3600) // 60)
        secs = int(seconds % 60)
        milliseconds = int((seconds % 1) * 1000)
        return f"{hours:02}:{minutes:02}:{secs:02},{milliseconds:03}"

    with open(output_file, "w", encoding="utf-8") as srt_file:
        for i, segment in enumerate(transcription['segments']):
            start = format_timestamp(segment['start'])
            end = format_timestamp(segment['end'])
            text = segment['text'].strip()

            srt_file.write(f"{i + 1}\n{start} --> {end}\n{text}\n\n")

    print(f"✅ 字幕ファイル '{output_file}' が作成されました！")

# メイン処理
def main():
    # サンプル音声をダウンロード
    audio_file = download_sample_audio()

    # Whisperで文字起こし
    model = whisper.load_model("base")
    print("🔍 文字起こし中...")
    result = model.transcribe(audio_file, language='en')  # 英語音声を対象

    # SRTファイルに保存
    save_as_srt(result)

    # 不要な音声ファイルを削除
    os.remove(audio_file)
    print(f"🗑️ '{audio_file}' を削除しました。")

if __name__ == "__main__":
    main()

サンプル音声データからSRTファイルが作られたと思います。

output.srt　を開いて、中身を確認してみましょう。

🚀 SRTファイル生成コード（CSVファイルから）

# 必要なライブラリのインストール
!pip install googletrans==4.0.0-rc1

import csv
from googletrans import Translator
from google.colab import files

# CSVファイルをアップロード
uploaded = files.upload()
input_csv = list(uploaded.keys())[0]
output_srt = f"translated_{input_csv.split('.')[0]}.srt"

# 翻訳機能
translator = Translator()

def format_timestamp(seconds):
    hours = int(seconds // 3600)
    minutes = int((seconds % 3600) // 60)
    secs = int(seconds % 60)
    milliseconds = int((seconds % 1) * 1000)
    return f"{hours:02}:{minutes:02}:{secs:02},{milliseconds:03}"

def translate_csv_to_srt(input_file, output_file, src_lang='ja', dest_lang='en'):
    with open(input_file, 'r', encoding='utf-8-sig') as infile, open(output_file, 'w', encoding='utf-8') as srtfile:
        reader = csv.DictReader(infile)
        for i, row in enumerate(reader):
            start = row.get('Start Time', '00:00:00,000')
            end = row.get('End Time', '00:00:00,000')
            text_to_translate = row.get('Text', '')

            translated_text = ''
            if text_to_translate:
                try:
                    translated = translator.translate(text_to_translate, src=src_lang, dest=dest_lang)
                    translated_text = translated.text
                except Exception as e:
                    print(f"翻訳エラー: {e}")
                    translated_text = ''

            # SRT形式で書き込み
            srtfile.write(f"{i + 1}\n{start} --> {end}\n{translated_text}\n\n")

    print(f"✅ 翻訳されたSRTファイル '{output_file}' が作成されました！")

# 翻訳実行
translate_csv_to_srt(input_csv, output_srt)

# 翻訳後のSRTファイルをダウンロード
files.download(output_srt)  # Colab用のダウンロード機能

問題なくSRTファイルができたでしょうか？

🚀 次のステップへ！

SRTファイルが作成できたので、次は YouTubeに字幕ファイルをアップロードする方法 について解説します！

6-3. YouTubeに字幕ファイルをアップロードする

Whisperで作成したSRTファイル（またはVTTファイル）を、YouTube動画に簡単にアップロードすることができます。このセクションでは、PCからYouTubeに字幕ファイルを追加する具体的な手順を解説します。

🎯 YouTubeに字幕をアップロードするメリット

SEO強化: 字幕付きの動画は検索エンジンで見つけやすくなります。

視聴者の拡大: 聴覚障害のある方や、多言語の視聴者にも対応可能。

エンゲージメント向上: 静かな環境でも動画を理解しやすくなります。

🚀 字幕ファイルをYouTubeにアップロードする手順

1. YouTube Studioにアクセスする

2. 字幕の追加メニューを開く

3. SRTファイルをアップロードする

4. 字幕を公開する

詳しくはYoutubeのマニュアルをご覧ください。

📌 注意点とヒント

ファイル名の付け方
YouTubeでは、字幕ファイル名に言語コードを追加すると自動認識されやすくなります。
例: video-ja.srt（日本語字幕）、video-en.srt（英語字幕）
タイミングのズレを修正する場合
YouTubeの字幕エディタで直接修正可能。
または、SRTファイルを再編集して再アップロードする方法もあります。
自動字幕との違い
YouTubeの自動字幕は精度に限界があるため、Whisperで作成した高精度な字幕を使用することで、視聴体験が向上します。

🌍 多言語字幕の追加方法

同じ手順で、異なる言語のSRTファイル（例：英語、中国語など）を追加できます。
言語ごとに別々のファイルをアップロードし、グローバルな視聴者に対応しましょう！

🚀 次のステップへ！

これでYouTubeに字幕ファイルを追加する準備は完了です。次は、多言語字幕の翻訳と自動生成の方法について解説します！（7-1 へ続く ➡️）

7.多言語翻訳機能の追加

7-1. Whisperの言語設定と翻訳の基本

Whisperでは、音声の元言語と翻訳先の言語を簡単に指定することができます。これにより、直接多言語字幕を作成することが可能です。

1. 元の音声言語を指定する

Whisperのtranscribeメソッドで、languageパラメータを使用します。

import whisper

model = whisper.load_model("base")
result = model.transcribe("audio.mp3", language='ja')  # 日本語の音声を指定
print(result["text"])

language='ja' は日本語を指定。
他にも en（英語）、zh（中国語）などが使用可能です。

2. 翻訳機能の利用（Whisper内蔵）

Whisperには、直接英語に翻訳する機能も備わっています。

result = model.transcribe("audio.mp3", task='translate') 
#自動的に英語へ翻訳

print(result["text"])

task='translate' を指定すると、自動的に英語に翻訳されます。
他言語への翻訳には、外部API（例: Google翻訳APIやDeepL API）の併用が便利です。

3.Google Colabでの googletrans モジュールのインストール方法

Google Colabを使用して翻訳機能を実装する際、googletrans というライブラリを利用します。このライブラリはGoogle翻訳の非公式APIで、多言語翻訳を簡単にPythonで扱うことができます。

!pip install googletrans==4.0.0-rc1

🌐 外部翻訳APIの活用（案内）

Whisperの翻訳機能に加えて、Google翻訳APIやDeepL APIを利用すると、より多言語対応が可能です。

Google翻訳API: 幅広い言語対応と無料枠あり
DeepL API: より自然な翻訳精度が魅力

これらのAPI設定方法や活用法については、公式ドキュメントを参考にしてください。

🚀 次のステップへ！

7-2. 実践！字幕を翻訳！（サンプルコード）

日本語のYouTube音声を英語に翻訳
Whisperの翻訳機能（task='translate'）を活用
結果はCSV形式でダウンロード

# 実際に翻訳してみましょう！
import whisper
import yt_dlp
import os
import csv
from google.colab import files

# ... (other functions remain the same) ...
# YouTubeから日本語サンプル音声をダウンロードする関数
def download_sample_audio():
    sample_url = "https://www.youtube.com/watch?v=58N4BXzwwCk"  # 日本語音声のサンプルURL
    output_filename = "sample_audio.mp4"

    ydl_opts = {
        'format': 'bestaudio/best',
        'outtmpl': output_filename,
        'quiet': True
    }

    with yt_dlp.YoutubeDL(ydl_opts) as ydl:
        ydl.download([sample_url])


    print(f"✅ サンプル音声ファイル '{output_filename}' をダウンロードしました！")
    return output_filename


# 翻訳結果をCSV形式で保存する関数
def save_to_csv(transcription, output_file="translated_output.csv"):
    with open(output_file, "w", encoding="utf-8-sig", newline="") as csvfile:
        fieldnames = ["Start Time", "End Time", "Original Text (JP)", "Translated Text (EN)"]
        writer = csv.DictWriter(csvfile, fieldnames=fieldnames)
        writer.writeheader()

        for segment in transcription['segments']:
            start = segment['start']
            end = segment['end']
            original_text = segment['text'].strip()

            # 英語へ翻訳 (修正箇所)
            translated = translator.translate(original_text, src='ja', dest='en') # googletransを使って翻訳
            translated_text = translated.text.strip()

            writer.writerow({
                "Start Time": start,
                "End Time": end,
                "Original Text (JP)": original_text,
                "Translated Text (EN)": translated_text
            })

    print(f"✅ 翻訳結果が '{output_file}' に保存されました！")
    files.download(output_file)  # CSVファイルをダウンロード

# メイン処理
def main():
    # サンプル音声をダウンロード
    audio_file = download_sample_audio()

    # Whisperで文字起こし
    global model
    model = whisper.load_model("base")
    print("🔍 文字起こし中（日本語）...")
    result = model.transcribe(audio_file, language='ja')  # 日本語音声を対象

    # CSV形式で翻訳結果を保存
    save_to_csv(result)

    # 不要な音声ファイルを削除
    os.remove(audio_file)
    print(f"🗑️ '{audio_file}' を削除しました。")

# googletransをインポート
from googletrans import Translator
translator = Translator() # Translatorオブジェクトを作成

if __name__ == "__main__":
    main()

7-3. 翻訳済みデータのSRTファイルとして保存する方法

翻訳済みデータをSRTファイルにする際、2種類の方法が考えられます。

1️⃣ 方法①：日本語用と英語用のSRTファイルを別々に作成するコード

2️⃣ 方法②：二言語同時表示のSRTファイルを作成するコード

どちらにもメリットがありますので、使用したい方法を選んでい進めてください。

メリット：

YouTube用 → 別々のSRTファイル（方法①）

日本語と英語を個別の字幕としてアップロードできるため便利。
個別管理がしやすい：日本語字幕と英語字幕を別々のファイルとして管理できます。

学習や個人利用 → 二言語同時表示のSRT（方法②）

二言語同時表示が可能：1つの字幕ファイルに日本語と英語をセットで表示できます。
マルチリンガル環境に便利：日本語と英語の両方を同時に見たい場合に最適。

ここでは先ほどのサンプルを使用してそれぞれのSRTに変換してみます。

1️⃣ CSVファイルからそれぞれのSRTファイルに変換する方法