こんにちは、マッスル鉄仮面と言います。

突然ですが、あなたは自分の身体を100％使いこなせていると思いますか？

ここでYESと自信をもって答えられる人はほとんどいないでしょう。

いたとしても正直全然使いこなせていないと思います。

自分の身体すら使いこなせてないなんてそんな悲しい事ありますか？

しかしそれは単に身体についての知識がないというだけです。

運動神経がどうという話以前に自分自身の身体について正しく知っておかなければ100％使いこなすなんて不可能です。

ところで「ライフル射撃」という競技をご存知でしょうか。

オリンピック種目にもなっているスポーツで、固定された的を文字通りライフルで撃ち抜き、点数を競う競技です。

大学時代にライフル射撃の話をすると、「筋力は必要ない」、「体力がなくても大丈夫」という言葉をよく聞きました。

実際に僕の大学での射撃部の勧誘は当時「スポーツ未経験者でも始めやすい競技！」と言っていましたが...。

今思うと、何アホなことを言ってんだと思います。

「およそ3kg～5kg程度の銃を片腕で支え、1時間以上立位（他の姿勢もありますが）をキープし続け、そんな状態で10m先の的を狙い続けるスポーツ」において体力が必要ないとはどういうことでしょう？

「脱力することが大切だから筋トレは必要はない」と言われることもありますが、「脱力」とは一体何でしょう？

僕は大学時代ライフル射撃部の主将を務め、現在はスタジオレゾナンスでパワープレート専門トレーナーをしています。

そんな経験から、今回はライフル射撃を例に誰も考えたことのないフィジカルについて解説をしていきます。

さらに言うと、ライフル射撃に限らず運動を始めてみたいという人全員に関係のある内容でもあります。

初めに言っておきますが、この場では射撃の技術の話はしません。

射撃技術についてはネットや本で調べることもできますし、各チーム毎に代々引き継がれてきた練習メソッドがあるはずだからです。

射撃技術を十分に向上させている人も、これから射撃を始める人も身体のことを考えることによって成績を向上させることができます。

実際に大学時代の僕は、射撃技術に詳しい人がほとんどいない環境で自力で全国大会に出場しています。

ちなみにこのときに使っていた考え方は中高での陸上部で培ったものです。

当然自分の成績だけではなく、部員全体の成績も向上させました。

さて、どんなことを解説していくのか書いておこうと思います。

①　ライフル射撃で必要な筋力・体力

②　「脱力」の正しい考え方

③　アップの重要性

④　トレーニング方法

⑤　身体のコンディションと栄養

⑥　試合に向けての考え方

これらのことはライフル射撃の知識として一般には出回っていないものです。

さらに言うと、ライフル射撃だけでなく全てのスポーツに通じるメソッドでもあります。

正しい知識を持って、スポーツを本当の意味で楽しんでもらいたいと思っています。

ここから先がノウハウになります。

①　ライフル射撃で必要な筋力・体力

まず、ライフル射撃においてどのような筋力が求められているの考えてみましょう。

実際に求められている筋力は、

・1時間立位をキープし続ける筋力

・片腕で3kg～5kgの銃を支え続ける筋力

です。

「両足で立っている姿勢が1番安定していて力が入っていない」と耳にすることがあります。

確かにその通りで、身体の重心が正しい位置にある場合、究極的にふくらはぎの筋肉さえあれば骨のみで立つことができます。

しかしよく考えてみてください。

そもそも「立っている状態」が最もバランスのいい状態なのでしょうか？

例えば、「立っている状態」と「寝ている状態」ではどっちの方が楽ですか。

そんなこと聞かれるまでもなく「寝ている状態」と答えるはずです。

つまり「立っている状態」というのは意識していないだけで、バランスをとるために多くの筋肉が使われています。

例を挙げると、

足の筋肉・腹筋・背筋など

マニアックなものを挙げると、

背骨を支える脊柱起立筋・インナーマッスル・頭蓋骨を支える筋肉

などがあります。

このように「両足でまっすぐ立っている」ための筋力が重要となります。

【コラム】

・射撃姿勢について

射撃姿勢を初めて習うときに「腰を出して左足に重心を寄せる」に類似したことを言われると思います。

しかし上記の説明を既に読んだ人は、「片足で立つ」ことが困難なことであるのは容易に想像がつくかと思います。

賛否両論あるかと思いますが、僕としてはなるべく

片足重心にならないように両足でしっかりと立つ姿勢

を推奨します。

その方が安定性的にも体力的にも理想の姿勢でい続けることができるからです。

続いて、最も直接的に筋力が求められるのは左腕（左利きの人は右腕）です。

もっと細かい話をすると、

銃を直接支えている腕（上腕部）の筋肉

手首を支えている前腕部の筋肉

肩を安定させる筋肉（肩のインナーマッスル、胸筋、広背筋など）

が主に使われている筋肉です。

これらの筋肉については普段から射撃をしていることで、少しずつ鍛えることができるので、射撃の熟練者はそんなに意識しなくても十分な筋力・体力が備わっている可能性もあります。

しかし、改めてどんな筋肉が使われているのかを意識するだけで、より安定性を増すことが可能です。

体力についてはイメージがしづらいかもしれません。

ライフル射撃は他のスポーツと比べて激しい動きがない分、スタミナ消費をしているイメージがないと思います。

しかし、「動的な動作」がないだけで「静的な動作」は常にし続けています。

具体的に言うと、「銃を持ったまま姿勢を保つ」ことです。

既に説明をしているように銃を構えて立位を保つためには多くの筋肉を使用します。

筋肉が使われるということは、当然その分のエネルギー：体力を消耗することになります。

エネルギーについては後々詳しく話をしますが、他のスポーツと同様に体力が必要であることは理解に難くないはずです。

一般的に「体力」や「持久力」というと「長時間運動し続けることができる能力」というイメージかと思いますが、今回の場合は

「筋持久力」

という「長時間筋力を発揮し続けることができる能力」となります。

筋持久力は、どの筋肉を使っているのか意識してトレーニングをしなければ向上させることができないので、上記の内容を改めてよく読んでおいてください。