『０から始める自分ビジネスの教科書』をお読みいただいてありがとうございます。

この教科書では、好きなこと・得意なこと・これまでの経験を生かして起業／新規事業構築をおこない、自分だけのビジネスを創り上げるための準備をするためのポイントをお伝えします。

これから10年で、社会の変化はますます加速します。

そのなかで生き抜き、真に充実した毎日を送るためには、誰かやどこかによりかかるのではなく

夢中になれることを軸にした自分だけのビジネスを創り、社会がどう変化しようとも幸せに、自由に生きられるよう備えることが必須です。

自分だけの、他に誰にも真似できない「自分ビジネス」を築き上げ、幸せで充実した人生を送りましょう！

自分ビジネスとは

自分ビジネスとは、自分自身の価値に基づいた、自分にしか作り出せない世界に一つのビジネスのことを指しています。業種や業態、スキルやノウハウといった外部的な要因では、差別化することは容易ではありません。その結果競争に巻き込まれたり本来の目的を見失ったりして、事業を畳んでしまうことになりかねません。

自分にしか持てない価値観に基づき、自分の世界観に共感してくださるお客様を大切にし、持続的に成長する。それが自分ビジネスの定義です。

起業の現状

インターネットの普及や近年の働き方改革の進展などにより、独立起業・副業や複業が働き方の選択肢としてあたりまえになりつつあります。

一昔前は、多くの資本金を用意し、働く場所を用意し、人を雇い・・・、と、事業を始めるのには多くの制約がありました。

しかし今は、スマートフォンがあれば、簡単にビジネスが始められます。

フリマアプリの普及で、在宅で簡単に売買できる環境もでき、オンライン通話サービスの普及で、自宅にいながらにしてコンサルティングその他のサービスが提供できるようになり、ビジネスを始めるハードルが低くなっています。

資本金１円で株式会社を設立でき、クラウドで簡単に仕事を発注でき、わざわざ人を雇う必要もなくなっていますし、さまざまな手続きをオンラインで済ませることも可能になってきています。

現代は、だれでも、小規模・低資本でビジネスを始められる時代です。

厚生労働省の調査によると、2018年時点で副業・副業を含めたフリーランス人口は1100万人超。2030年には2000万人を超えると予測しています。

しかし、起業や副業して誰もがうまくいくかと言われれば、それはないと言わざるを得ません。株式会社の例になりますが、起業して3年で7割が廃業しているという資産もあり、起業・副業の現状はバラ色というわけではありません。

なかには、フリーランスとして活動を始めたものの、体のいい下請けをやっているだけという例や、在宅でネットビジネスを始めても1年も稼げないという例もたくさんあります。

起業家の現状は、決して甘いものではありません。

なぜ「自分ビジネス」なのか

それでも今後、起業・副業や複業は増え続けると思われます。

理由はいくつかあります。

１つ目は、機械化・自動化の進展。

日本の企業が他の先進諸国と比べて生産性の低いことはよく知られており、その克服のために機械化・自動化が進められます。

必然的に従来の仕事、とくに事務・販売・経理業務は必要なくなり、その分の雇用を抱えるほどには新しい職業が生まれることは難しい状況が生まれます。

そうなると、自分でなにか始めるしかないという人が増加することが予想されます。

また、中小企業の後継者不足も深刻です。

2020年4月現在で、120万社以上が後継者不足とされています。経営者の高齢化も進んでおり、このままいけば何十万社という企業が日本からなくなり、それに伴って大量の失業者が生まれます。その多くが前述の事務・販売・経理業務従事者と考えられ、再就職が難しい層です。彼らもまた、自分で何かを始めないといけない層です。

3つ目は、高齢化の進展。

高齢化が進み、その分定年の延長も進んでいます。しかしそれ以上に働かなければならない期間が伸びています。いまや一つの企業に定年まで勤めてそれであがり、という時代ではなく、生涯に何度も転職したり働き方を変えるのがあたりまえになります。そして選択肢の一つとして自分で事業をやるとか、スキルアップも兼ねて副業するとかがあたりまえになります。

2020年のコロナ・ショックの影響で、倒産・失業の増加にともない、自分でビジネスを始める人が急増することも予想されます。

そのほかにもいろんな要因があり、2030年には起業・フリーランスの人口は3000万人に達していてもおかしくないと考えられます。

※2020年4月時点の予測

そうなると何が起こるかと言うと、競争が激しくなることが予想されます。

フリーランス人口が増えると、そこに発注する人・企業にとっては選択肢が増えていいですが、受注する側は選ばれるために激しい競争を勝ち抜かなくてはならなくなります。

全く食えない人もおそらく出てくるでしょう。

スキルを身につけ、特徴を打ち出し、質を上げ価格を下げ・・・

といった努力ももちろん必要ですが、それだといつか疲弊します。

その方向性だと、先行者や規模の大きいところには絶対に勝てません。

大きな組織を作るとか上場を目指すスタートアップ企業を作るならそれでいいと思いますが、1000に3つもうまくいかないのが実状。

個人が自分の経験を生かして独立起業するのであれば、「自分」という資産を最大限に活かす必要があります。

これまでの経験、得意なこと、そして自分が好きで夢中になれること、それらから生み出せる自分にしかない価値に基づいた自分だけのビジネスを作り上げることで、差別化や価格競争のレースから抜け出し、自分らしい人生を生きつつ持続的に成長することができます。

自分にしかない価値に基づいた自分だけのビジネスを創り上げてほしい、その願いを込めて「自分ビジネス」と言っています。

その「自分にしかない価値」を見つけ出し作り上げるヒントを得ていただきたいというのが、この『0からはじめる自分ビジネスの教科書』の目的です。

ぜひ、この教科書を読んでいただいて、自分にしかできないビジネス構築に一歩を踏み出していただければ幸いです。

自分ビジネスを創るために必要な３つのこと

自分ビジネスを創り上げる。言葉で言えば簡単なことですが、ではどうすればいいのか。

ここでは、自分ビジネスを創り上げるために絶対に必要な3つの要素についてお話します。

自分ビジネスをはじめる上で、必須の要素です。